マリアナ海溝にも汚染物質があった!

チームは今回、マリアナ海溝とフィリピン海溝で人間由来の汚染物質を発見しました。
具体的には、深海に棲むカサゴ目の魚類の肝臓組織から、かつて電気機器や家電製品に使われ、1970年代に禁止された有害化学物質「ポリ塩化ビフェニル(PCB)」が検出されたのです。
さらに、消費者製品にかつて使用されていた難燃剤「ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE)」とPCBが、高濃度でマリアナ海溝の水深1万メートルを超える堆積物コアから検出されました。
PBDEは2000年代初頭に使用が減少しましたが、その痕跡は海に沈んで、深海に蓄積していたようです。
以前の研究でも、マリアナ海溝における化学汚染物質や深海におけるマイクロプラスチックの存在が報告されていました。
今回の新たな発見は、私たち人類の活動が、遠く離れたこの極限環境にまで及んでいることをさらに明らかにしています。