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電極を指したセミを「生きたスピーカー」にしてカノンの演奏に成功 (3/3)

2025.05.02 21:00:12 Friday

前ページ2本の電極で“生体カノン” — 昆虫楽器、始動

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生体楽器の未来:災害アラームから森のオーケストラへ

こうして世界初の「セミ・スピーカー」による音楽演奏は成功しましたが、これはあくまで研究のプロトタイプです。

ここから先、実用化や発展に向けてどのような可能性と課題があるのでしょうか。

まず応用の可能性について考えてみましょう。

研究チームが述べているように、将来は災害時の音声アラートなどへの活用が期待されます。

例えばセミや他の鳴く昆虫に極小の電極と受信機を装着し、いざという時に一斉に信号を送って「サイレン音」や「避難せよ」といった合図を鳴かせるシナリオが考えられます。

電池切れの心配があるロボットやスピーカーを大量に設置するより、身近な昆虫たちが自律的に生きながら音を出してくれれば維持コストも最小で済みます。

昆虫たちは普段は勝手に生活しており、必要なときだけ人間が“お借りする”わけです。

まさに自然とテクノロジーの協奏ですが、SF的な未来像ながら現実味も帯びてきます。

他にも森林や農地にいる虫を使って環境モニタリングや遠隔通信を行うアイデアがあります。

ある地点の温度やガス濃度を感じ取ったセンサーノードが、周囲の昆虫に特定の鳴き声パターンを送って遠く離れた人間に異常を知らせる仕組みも夢物語ではありません。

昆虫の鳴き声は種によって周波数帯やパターンが異なるため、多重信号を混信なく送る特性を生かせるかもしれません。

一方で技術的な課題としては、制御できる鳴き声の種類に限界があることが挙げられます。

今回のセミでは等間隔のパルス音しか出せないため、美しいハーモニーや滑らかな歌声を実現するのは難しいという問題があります。

周波数も200Hz程度が限界で、楽曲表現の幅には制約があります。

より高音域や多彩な音色を持つ他種昆虫とのハイブリッド化が次の研究テーマになるでしょう。

食べて供養
食べて供養 / 動画の最後には食べて供養していると思われるシーンもあります/Credit:昆虫とコンピューターのハイブリッドスピーカー

それでも今回の成果は、生物の持つ卓越した機能をテクノロジーで引き出す「新しい楽器」の登場だといえます。

セミの発音器官は人工スピーカーよりエネルギー効率と耐久性に優れ、しかも自律行動まで可能です。

この発想はロボット工学やヒューマンインターフェース研究に新風を吹き込み、人と生物の協働技術を広げる契機になります。

もしかしたら未来の世界では、様々な種類の昆虫の鳴き声を制御することで、虫たちによるバイオオーケストラが実現しているかもしれません。

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電極を指したセミを「生きたスピーカー」にしてカノンの演奏に成功 (3/3)のコメント

ゲスト

既存のスピーカーの代わりにはちょっとなりそうにない感じですね。
でも極めて何か生命に対する…という感じですね。

生きたまま利用できるなら何度でも使えて後始末も困らないから良いね

ゲスト

残酷やな

ゲスト

筋肉を電極で動かすだけだから
死んだ後に実験できないのかな

うわぁ

そのうちに、捕獲した人間たちに電極をさしこんで声帯を操り、音楽を奏でさせる悪魔の実験をやり出しそう。

ゲスト

・・・シテ・・k・ロ・・シテ・・・

ゲスト

技術としての価値に口は挟まないが、記事からも研究者からも生命から力を借りていることへの少なくとも感謝みたいなのが微塵も感じられないのはなぜだろう

    たぶん

    最後にセミ食ってるからじゃないですかね。

デコ広ーレンス

なんかコエー
寒気がした
あと俺の音痴も直してくれ

ゲスト

なんだ中枢神経じゃないのか
あんまり面白くないな

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