心のトラブルを未然に防ぐ習慣とは?
メンタルヘルスの問題は世界中で深刻化しています。
しかし従来の対策は、症状が重くなってからの治療に偏りがちでした。
研究チームは「そもそも問題を未然に防ぐことが重要なのでは?」と考えました。
そこで着目したのが「Act Belong Commit®(ABC運動)」という西オーストラリア州で2008年から展開されているメンタルヘルス啓発キャンペーンです。

このキャンペーンは「行動する」「つながる」「打ち込む」という3つの柱で、誰もが日常の中で簡単に心の健康を保つ行動ができるよう呼びかけています。
しかし、これまでABC運動で進められているような日常の行動が、具体的にどのように人々のメンタルヘルスに影響してきたかは科学的には明確ではありませんでした。
そこで研究チームは、ABC運動に参加した成人603名(平均年齢49.4歳、男女比ほぼ同等)に電話インタビュー調査を行い、「15種類の日常行動」の頻度と心の健康度(Warwick Edinburgh Mental Well-being Scale:WEMWBSスコア)との関連を徹底的に分析しました。
調査対象となった15種類の日常行動とは以下の通りです。
- 家族と会う
- 自然の中で過ごす
- 運動(身体活動)
- 友人や同僚と交流する
- 地域イベントへの参加
- サークルやクラブ活動への参加
- 大規模イベントへの参加
- 難しい課題に挑戦する
- 宗教的影響(宗教活動の影響)
- 社会活動団体への参加
- ボランティア活動
- スピリチュアル活動(瞑想・祈りなど)
- 集中・思考活動(読書やパズルなど)
- 他の人(自宅以外)と会話する(オンラインでのチャットを含む)
- 他人への支援や手助け
では、どんな結果になったでしょうか。