
・フランスのテーマパークに、ゴミを拾う6羽の「カラス清掃員」チームがある
・所属するカラスは、小さな頃から鷹匠の手によって訓練を受けた
・実際にゴミを拾ってくれるだけでなく、せっせと掃除してまわるカラスをみた人々がゴミ自体を減らしてくれる効果が期待される
カラスがゴミを「漁る」のはよく見かける光景ですが、ゴミを「拾う」光景はどうでしょうか?
フランスの有名テーマパーク“Puy du Fou”では、なんと訓練を受けた「カラス清掃員」たちが、タバコの吸い殻や小さなゴミを集めて飛びまわっているのです。
清掃員チームは「6羽編成」。フランスの西部バンデ県にある歴史テーマパーク「ピュイ・デュ・フー(Puy du Fou)」にて清掃活動にあたっています。訓練されたカラスは、カラスの中でも特に知能が高いとされる「ミヤマガラス」。鷹匠であるクリストフ・ガボリ氏の手によって育てられ、みっちりと鍛え上げられました。

ゴミをちゃんと「ゴミ箱」に入れることができたら、おいしい「ご褒美」を与える。このアクションを繰り返し、カラスの頭に「ゴミ捨て」と「エサ」を結びつけていきました。ときどきゴミではなく「木片」でガボリ氏の目を欺こうとしたカラスもいたといいます。
ガボリ氏がこのアイデアを思いついたきっかけは、彼が20年前に目の当たりにした光景です。そこでは、野生カラスのグループが、がれきをきれいに選り分けていました。そしてその「分別能力」を知った彼は、きっとカラスはゴミを識別して収集してくれるはずだと思い立ったのです。
広いテーマパーク内において、たった6羽でゴミを拾い集めるのは効率的だとは言えないかもしれません。しかし、忙しそうにゴミ拾いをしているカラスの姿を見た人々は、これまで以上に自分の捨てるゴミに注意するようになるでしょう。彼らにはそんな「間接的」な効果も期待されているのです。
via: livescience / translated & text by なかしー