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子供への体罰は「百害あって一利なし」が文化を超えて証明される (3/4)

2025.05.14 22:00:30 Wednesday

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短期の服従か、長期の破壊か

短期の服従か、長期の破壊か
短期の服従か、長期の破壊か / Credit:Canva

今回の分析結果が示す最大のポイントは、体罰が「文化の違いや社会の慣習を問わず、子どもの将来に一貫した悪影響を与える可能性が高い」という点です。

これまで一部では、体罰が日常的に行われる環境においては、有害性が軽減されるかもしれないという説も唱えられてきました。

しかし今回の研究では、子どもが育つ地域で体罰が当たり前とされている場合でも、親子の信頼関係や学業成績、メンタルヘルスなどに悪い影響が出ることが裏づけられました。

さらに興味深いのは、「体罰を経験すると、将来的に暴力を容認しやすくなる」という点です。

これは、子ども時代に叩かれたり殴られたりした経験が、暴力そのものを「使っても仕方がないもの」と捉える心理を育んでしまう可能性があることを示唆しています。

こうした影響は、本人のメンタルヘルスのみならず、成人後のパートナーや周囲の人々との関係にも大きな影を落とすかもしれません。

一方で、体罰が「しつけの方法の一つ」だと信じている親は少なくありません。

むしろ、短期的には子どもが言うことを聞いたように見えるため、しつけがうまくいったと誤解されがちです。

ですが長期的には、子どもの学習意欲や社会性を損なったり、何より「大人との関係に恐怖や不信を抱くようになってしまう」リスクがはるかに大きいのです。

こうした深刻な影響を踏まえると、体罰に代わるポジティブなしつけ方法の普及が世界規模で求められているといえるでしょう。

研究者たちは、国や文化を超えたかたちでの法的整備や啓発活動、親をサポートする地域コミュニティの仕組みづくりなどが、子どもを暴力から守るために不可欠だと考えています。

それらの取り組みが広まることで、未来を担う子どもたちが、安全で豊かな成長のチャンスを得られるはずです。

次ページなぜ体罰肯定理論は根強いのか?

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