触れ合いながら眠るカップルは「安心感」が高い
この調査の結果、次のような興味深い傾向が明らかになりました。
就寝時にパートナーと身体的に近い距離で眠っているカップルは、ストレスが少なく、より「安定型」の愛着スタイルを示す傾向が強かったのです。
これはつまり、抱き合ったり、身体が触れ合った状態で眠る習慣がある人は、心理的に安心していて、パートナーとの関係もより安定しているということを意味します。
さらに興味深いのは、人と眠ると自由な姿勢が取れなくなるのに、それを不快と感じず、むしろ安心感や親密さが高まる傾向が見られたという点です。

ただ、人と引っ付いて寝るというのは、寝付く前は良いものの、実際寝たあとは体がぶつかり合うなど、睡眠の質を妨げる要因になりそうな印象もあります。
しかし、研究ではふれあって眠る行動は睡眠の質(sleep quality)や睡眠障害(sleep disturbance)への影響は見られませんでした。
つまり、夜に「くっついて眠る」ことは睡眠を妨げる要因にはならないようなのです。
この結果をどう解釈すればよいのでしょうか?
研究チームは、身体的なふれあいが「安心感のサイン」であると同時に、「安心感を育む行動」でもあると述べています。
心理的な結びつきが強いカップルほど、自然と近づいて眠る傾向があり、それがさらに関係の安定やストレス緩和につながっている可能性があるというのです。
ただ、この研究は明確に因果関係を明らかにしているわけではなく、お互いの信頼感が高くストレスの少ないカップルほど、くっついて寝る傾向があるだけだという可能性も否定できません。
ふたりの関係を育てる「眠り方」を見直してみよう
この研究は、「夜の眠り方」に私たちの心のつながりが反映されていることを示唆しています。
もちろん、すべての人に「くっついて寝ること」が合っているわけではありません。
でも、「寝る前に少しだけ手をつなぐ」「肩に触れる」など、ちょっとしたスキンシップがあるだけでも、お互いに安心感をもたらすことがあるかもしれません。
恋人や夫婦関係において、不安やストレスを感じることがあるなら、まずは「眠り方」に目を向けてみると、そこに、意外なヒントが隠れているのかもしれません。
くっ付いて寝る相手…ああ、抱き枕ですね。