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Credit: Loughborough University(2025)
technology

全長35μm!毛髪より小さい「世界最小のヴァイオリン」を作成

2025.06.04 20:00:31 Wednesday

英ラフバラー大学(Loughborough University)の物理学チームが、最先端のナノテクノロジーを用いて「世界最小のヴァイオリン」を作成したと発表しました。

その全長はわずか35マイクロメートル(μm)。人間の髪の毛の太さの中にすっぽり収まるサイズです。

この極小のヴァイオリンは、もちろん音楽を奏でるために作られたわけではありません。

むしろ最新鋭のナノリソグラフィー(微細加工)という技術のデモンストレーションであり、遊び心と科学を融合させた試みとなっています。

では、世界最小のヴァイオリンはどのように作られたのでしょうか?

Loughborough University physicists create ‘the world’s smallest violin’ using nanotechnology https://www.lboro.ac.uk/news-events/news/2025/worlds-smallest-violin-using-nanolithography-tech/ The world’s smallest violin is thinner than a human hair https://www.popsci.com/technology/worlds-smallest-violin/

なぜ「ヴァイオリン」を選んだのか?

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今回の実験で使われた器具/ Credit: Loughborough University(2025)

研究チームはなぜ「世界最小のヴァイオリン」を作ろうと思ったのでしょうか?

それは英語圏のポップカルチャーでよく使用される、とあるフレーズがきっかけとなっています。

そのフレーズとは「君のためだけに“世界最小のヴァイオリン”が演奏されているのが聞こえるかい?(Can you hear the world’s smallest violin playing just for you?)」というものです。

これは誰かが大げさに不満を言ったり、被害者ぶったりしているときに、皮肉やからかいの意味を込めて使われる表現とされています。

この言葉には「そんなに大げさに嘆くほどのことじゃないでしょ」「同情する気はないよ」といった冷ややかなツッコミが込められているのです。

1970年代の米国テレビドラマ『MASH』などで使われたのをきっかけに広まり、その後『スポンジ・ボブ』などのアニメ作品でも引用され、英語圏のポップカルチャーの中で定番のジョーク表現となりました。

ではチームは実際に「世界最小のヴァイオリン」をどのように作ったのでしょうか?

次ページ世界最小のヴァイオリンはどうやって作られるのか?

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