新しい「蒸発冷却」塗料により、エアコンによる電力消費が40%減

新しい塗料の実力を確かめるために、研究チームは3棟の小型住宅に、それぞれ通常の白塗料、市販の冷却塗料、CCP-30を塗布しました。
場所は高温多湿なシンガポールであり、従来の冷却塗料には過酷な環境下で、2年間にわたる屋外実験が行われました。
その結果、時間が経つにつれ、通常の白塗料と市販の冷却塗料は紫外線や降雨の影響で黄ばんでしまい、反射率も低下していきました。
しかし、CCP-30は白さを保ち続け、反射性も安定したままでした。
また、CCP-30の冷却性能は、市販の冷却塗料の性能を上回り、CCP-30を塗布した住宅ではエアコンによる電力消費が30〜40%も削減されました。
この数字は、エネルギーコストだけでなく、CO2排出量の削減にも直結します。
実際、CCP-30は通常の白塗料と比較してCO2排出量が28%も削減されました。
今後は、さらに広範囲な実証試験や量産化に向けた工程の最適化が進められる見込みです。
特に中東や東南アジアなど、高温多湿で冷房需要が高い地域においては、CCP-30が都市のヒートアイランド現象を抑制し、持続可能な都市設計の一助となることが期待されています。
今後、電力も機械も使わず、「汗をかく」ようにして内部を冷やす建物が増えていくかもしれません。
日本のような湿度90%オーバーが当たり前なところでも機能するようになれば最高ですね。