行動の「ブレーキ」が効かない脳
こうした入念な調査の結果、サイコパス傾向のある人たちの脳には、いくつかの明確な特徴が見つかりました。
特に注目されたのは、脳の深いところにある「視床(ししょう)」や「基底核(きていかく)」と呼ばれる領域です。これらは、感情の調整や衝動の抑制に関わる重要な部分です。
サイコパス傾向の強い人たちでは、これらの領域の体積が、傾向の弱い人に比べて小さいことが明らかになったのです。
言い換えると、脳自体が心の“ブレーキ”が効きにくい構造になっていると考えることができます。

さらに興味深いのは、冷淡さや共感の欠如といった「感情面のサイコパス傾向」と、この脳の縮小が特に強く結びついていた点です。つまり、「他人を思いやる気持ちを持ちにくい人」は、脳のストッパー役の部位が小さくなっている傾向があると考えられるのです。
一方で、前頭前野の中でも「外側前頭前野(がいそくぜんとうぜんや)」と呼ばれる部分では、わずかに体積が大きくなる傾向も見つかりました。この部分は、むしろ論理的思考や計画性に関係する場所です。
つまり、サイコパス傾向のある人は、「感情のブレーキ」が弱い一方で、「戦略的な思考」はむしろ得意な可能性があるのです。
これはまさに、冷静かつ大胆に行動できるサイコパスの特徴を、脳の構造から裏づける発見だと言えるでしょう。
ただし、今回の研究はあくまで「相関関係(いっしょに起きていること)」を示すものであり、「因果関係(脳の形が原因でサイコパスになる)」を証明しているわけではありません。
また、脳の形は一生変わらないものではなく、育った環境や経験によっても変化します。
たとえば、過去には鉄の棒が頭部を貫通する事故により、性格が大きく変わったとされる有名なケースもあります。こうした現象について、脳科学は少しずつ仕組みを明らかにしつつあります。今回の研究もその一歩となるでしょう。
サイコパスという言葉は、殺人者や犯罪者のような印象が独り歩きしている向きがありますが、実際には問題なく社会生活を送る人が持つ性格特性の1つです。
一部の研究では、経営者などはむしろこの性格特性を持つ人の方が成功しやすい可能性も指摘されています。
人の性格は、家庭環境や育ち方といった「後天的な経験」だけでなく、生まれ持った脳の性質など「先天的な要因」も関係していると考えられています。今回の研究のように、脳と性格のつながりを調べる取り組みは、人間の心の謎に迫る大きな一歩といえるでしょう。
アデシカルの、パワーとは、アトックメントで、そしてそのナノの粒子が、反対方向に、逆流して、そしてそのナノの粒子が、ナノチューブに、繋がり、そしてハニワに、なった。以上。
戦略的な思考するうえでは他者に対する共感は邪魔になるのでしょうね。
きっと逆も成り立ってしまうのでしょう、共感性の高い人は戦略的な思考が苦手なのでしょう。
他者に害を及ぼさなければサイコパスでも問題ないと思いますしね。