ビタミンK1を十分に摂取している高齢女性はASVDの死亡率が43%も低かった
調査の結果、1日あたりのビタミンK1摂取量が最も多かったグループ(中央値119μg/日)は、最も少なかったグループ(49μg/日)に比べて、頸動脈の厚さが約5.6%薄く、動脈硬化の初期段階が抑制されていました。
また、追跡期間中のASVDによる死亡率は、ビタミンK1摂取量が多いグループで43%も低下していました。

研究チームは次のように述べています。
「この研究では、オーストラリアの食事ガイドラインで現在推奨されている量より、約30%多くビタミンK1を摂取した女性は、ASVDの長期リスクが低いと分かりました」
では、ビタミンK1を日々どれくらい、どのように摂取すればよいのでしょうか?
実はそれほど難しくありません。
ビタミンK1の1日あたりの推奨摂取量は、 オーストラリアでは男性が70μg、女性が60μgとされています。
(ちなみにアメリカの推奨摂取量はアメリカでは男性が120μg、女性が90μg。日本は男女ともに150μg)
既に日本での推奨摂取量となっている150μgを目指せば、「オーストラリアの食事ガイドラインの推奨量の約30%増」を簡単にクリアできます。
そして、ビタミンK1は以下のように緑の葉物野菜に含まれています。
- 生のケール1カップ:472μg
- 生のホウレンソウ1カップ:145μg
- 調理済みブロッコリー半カップ:110μg
- 調理済み芽キャベツ半カップ:109μg
つまり、1日あたり「生の葉物野菜1カップ」または「茹で野菜の半カップ〜1カップ」程度を食べるだけで、十分なビタミンK1を摂取でき、心臓病による死亡リスクを大幅に低減させられる可能性があるのです。

もちろん、今回の研究には限界もあります。
食事の内容は自己申告によるものであり、正確性に限界があります。
また、ビタミンK1のみが評価対象で、他の栄養素との比較は行われていません。
さらに、対象が主に白人の高齢女性であるため、若者や男性、他の人種にそのまま当てはまるかは不明です。
それでもこの研究は、簡単な食習慣の変更で命を守れる可能性を示す貴重な一歩といえるでしょう。
今日から緑の葉物野菜を1カップ食べて、健康な心臓を守っていくのはいかがでしょうか。
※ただし、持病のある方は医師と相談すべきです。
葉物野菜や青汁はシュウ酸で尿路結石ができやすくなるから痛し痒しですね