ワイト島に眠っていた新種恐竜
今回の発見は、ロンドン自然史博物館とポーツマス大学の研究チームによる調査で明らかになりました。
研究を率いたのはNHMの古生物学者、ジェレミー・ロックウッド博士で、彼はワイト島の「ウィールデン層」と呼ばれる地層に残された化石を詳細に解析しました。
標本番号「MIWG 6643」として発見された骨格化石は、部分的に保存されたもので、頚椎や背椎、尾椎、骨盤の一部が含まれていました。
調査の結果、この恐竜化石は既知のイグアノドン類と似ているが、異なる特徴を持つことが判明し、新属新種として記載されました。
こちらが新種の復元画像です。
新たにつけられた「イストイオラキス・マッカーサレイ(Istiorachis macarthurae)」という名前の由来もユニークです。
「Istio」はギリシャ語で帆、「rachis」は背骨を意味し、まさに背中の帆を象徴しています。
そして「macarthurae」は、ワイト島出身の偉大な航海士デイム・エレン・マッカーサーに捧げられています。
彼女は2005年に世界一周単独無寄港航海の最速記録を打ち立てており、この偉業が恐竜の命名に刻まれました。
イストイオラキス・マッカーサレイは、体高がおよそ人間の大人以上で、体重は1トン前後に達したと推定されています。
背椎の神経棘は通常の4倍以上に伸びており、背中に大きな帆のような構造が形成されていたと考えられます。