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※ 画像はイメージです / Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
paleontology

背中に「帆」をもつ新種恐竜を発見、1億2000万年前に実在

2025.08.25 12:00:23 Monday

イギリス・ワイト島で、背中に大きな「帆」を背負った新種の恐竜化石が発見されました。

この恐竜は「イストイオラキス・マッカーサレイ(Istiorachis macarthurae)」と命名され、約1億2000万年前の白亜紀前期に生息していたことがわかっています。

その奇妙な姿は、クジャクの羽やバイソンのコブのように「誇張された特徴」であり、仲間に自分をアピールするために進化した可能性が高いと考えられています。

研究の詳細は英ロンドン自然史博物館(NHM)により、2025年8月21日付で科学雑誌『journal Papers in Palaeontology』に掲載されました。

New sail-backed dinosaur species unearthed on the Isle of Wight https://www.nhm.ac.uk/discover/news/2025/august/new-sail-backed-dinosaur-species-unearthed-isle-of-wight.html Retired doctor discovers new dinosaur species deep in a museum archive https://www.popsci.com/science/new-fin-back-dinosaur/
The origins of neural spine elongation in iguanodontian dinosaurs and the osteology of a new sail-back styracosternan (Dinosauria, Ornithischia) from the Lower Cretaceous Wealden Group of England https://doi.org/10.1002/spp2.70034

ワイト島に眠っていた新種恐竜

今回の発見は、ロンドン自然史博物館とポーツマス大学の研究チームによる調査で明らかになりました。

研究を率いたのはNHMの古生物学者、ジェレミー・ロックウッド博士で、彼はワイト島の「ウィールデン層」と呼ばれる地層に残された化石を詳細に解析しました。

標本番号「MIWG 6643」として発見された骨格化石は、部分的に保存されたもので、頚椎や背椎、尾椎、骨盤の一部が含まれていました。

調査の結果、この恐竜化石は既知のイグアノドン類と似ているが、異なる特徴を持つことが判明し、新属新種として記載されました。

こちらが新種の復元画像です。

新たにつけられた「イストイオラキス・マッカーサレイ(Istiorachis macarthurae)」という名前の由来もユニークです。

「Istio」はギリシャ語で帆、「rachis」は背骨を意味し、まさに背中の帆を象徴しています。

そして「macarthurae」は、ワイト島出身の偉大な航海士デイム・エレン・マッカーサーに捧げられています。

彼女は2005年に世界一周単独無寄港航海の最速記録を打ち立てており、この偉業が恐竜の命名に刻まれました。

イストイオラキス・マッカーサレイは、体高がおよそ人間の大人以上で、体重は1トン前後に達したと推定されています。

背椎の神経棘は通常の4倍以上に伸びており、背中に大きな帆のような構造が形成されていたと考えられます。

次ページ帆の役割は何だったのか?

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