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陰謀論を信じる人は脳内の情報処理が異なると判明 (3/3)

2025.09.02 17:00:49 Tuesday

前ページ一部の人々は陰謀論に接すると特殊な脳反応を起こす

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だから何が変わる?反証が効きにくい訳

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この研究から言える最も重要な点は、陰謀論を信じる人が「ただ単にだまされやすい人」というわけではないということです。

むしろ、陰謀論を信じる人たちは特定の情報に対して独特なの反応パターンを持っており、それが彼らの信念を支えているのです。

現実の情報に対しては普通の判断ができているのに、陰謀論に触れた途端、脳内で別のスイッチが入ったように情報の受け取り方が変わってしまうのです。

こうした「陰謀論モード」の存在は、なぜ彼らが反証を突きつけられても考えを改めないのかを、神経科学的に説明する手がかりになるものと言えるでしょう。

実際、高い陰謀論信奉者では、不確かな情報に対しても前頭前野が活発になり信念を維持する方向に働く一方、低い人では豊富な記憶ネットワークを動員して真偽を吟味するという“すれ違い”が起きていました。

ただし、本研究には注意すべき点もあります。

被験者は中国の若い成人に限られ、異なる文化や状況でも同じ結果が得られるかは今後の研究で確認が必要です。

しかし、こうした制約がある中でも、陰謀論にハマる心理の一端が脳の働きとして示された意義は大きいと言えます。

従来は「情報リテラシー教育を強化すればデマに騙されないだろう」と考えられがちでしたが、本研究は問題がそれほど単純ではない可能性を示唆します。

つまり、人によっては脳の情報処理の偏りとして陰謀論へのハマりやすさが現れているため、単に事実を提示するだけでは効果が薄いかもしれないのです。

では、陰謀論に立ち向かうにはどうすれば良いのでしょうか?

今回の研究はこの点についても重要な示唆を与えてくれます。

陰謀論を単に事実で論破しようとするだけでは不十分で、感情面や価値観に訴えるアプローチが必要だと考えられます。

今後の研究では、情報の伝え方や情報源の示し方によって、人がどのように陰謀論的な情報を評価するかが調べられる予定です。

例えば、単に「それは間違いだ」とデータを示すだけでなく、「なぜその陰謀論が魅力的に感じられるのか」を共有しつつ、その上で事実を伝えるといったコミュニケーションが有効かもしれません。

研究チームは今後、AIが生成する偽情報など新たな問題に対して人々の脳がどう反応するのかも調べたいと述べています。

脳のメカニズムまで理解できれば、「なぜデマに引っかかるのか」をより深く解明でき、より効果的な対策が見えてくるかもしれません。

陰謀論という謎に脳科学のアプローチで光を当てた今回の研究は、社会がこの問題とどう向き合うかを考える上で大きな一歩となりました。

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陰謀論を信じる人は脳内の情報処理が異なると判明 (3/3)のコメント

ゲスト

陰謀論者叩いてる構図って異端審問だよなぁって歴史や宗教に興味ある人間としては思うんですよね。
現代では科学者がインクジィターとして異端者を次々裁いているんだなと。
結局科学もそうなっちゃうんだ…って思いますね。
ウォーハンマーの帝國かよ、スターゲートのオーライかよって言う。
人って宗教から逃げられないんですよね、結局は。

    ゲスト

    陰謀論者がてきとーな対象を叩いてる構図って異端審問だよなあって思います。
    客観的根拠なく思い込みで批判して責任取らないところとか。

ゲスト

>つまり陰謀論を信じやすい人は、陰謀論を読んだ瞬間に「自分の考えにぴったり合うか」「本当かもしれない」と迷ったり、魅力を感じたりする回路が働きやすいと考えられます。

>海馬は記憶の中枢として知られ、今まで自分が学んだことや経験したことを思い出して、新しい情報と照らし合わせる役割を持っています。

>楔前部も、自分自身がこれまで経験したことを振り返りながら情報を吟味するときに活躍します。

つまり陰謀論者はもともと陰謀論が好きで現実は見てなくて夢見がち、と

ゲスト

>被験者は中国の若い成人に限られ

ここはいつから共産党のプロパガンダサイトになったんだ?

    ゲスト

    陰謀論者の実例の提供ありがとうございます。

なるほど、ハードディスクは書き込まれたデータ以外は存在しないのと同じか

ゲストん

この研究の弱点は、因果は言えないことです。
設計上は相関的な観察にとどまります。つまり、「特定の脳領域の活動が強いから陰謀論を信じるようになった」のか、「もともとの信念傾向が強いからその脳領域が動く」のかは、この研究だけでは決められません。今後、縦断データや介入研究(たとえば記憶想起を促す教示)で検証が必要だと考えられます。

記事の解釈は妥当か、
記事は「陰謀論者=だまされやすい」ではなく、「陰謀論に触れたときだけ脳の使い方が変わる」という点を丁寧に説明しています。つまり、バイアスは内容特異的だという原著の含意をうまく噛み砕いています。一方で、「感情や価値観に訴えるアプローチが必要」といった対処の提案は、論文の記述(“批判的な情報評価の手立てを考える材料になる”程度)より半歩進んだ示唆です。ここは「仮説として読む」くらいの距離感が安全です。

研究自体は慎重に読めば有益で、内容特異的な処理(価値・不確かさ vs 記憶系)という枠組みは、今後の再現研究や文化差の検討につながります。ただし、サンプルの偏りと刺激の出典の偏りがあるので、他文化・他言語への一般化を語る前に追試が必要です。つまり、「面白い初期報告」として位置づけるのが妥当です。

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