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「女性は地図が苦手」の原因?男の子の遊びが空間把握力を高めていた (2/2)

2025.10.18 12:00:45 Saturday

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遊びが育てる“空間把握能力”

調査の結果、3歳半のときに「男の子らしい遊び」を多くしていた子どもほど、10年後に高い空間把握能力を示したのです。

しかもこの関係は、性別にかかわらず見られました。男の子だけでなく、女の子でも男の子のような遊びを多くしていた場合は、思春期になっても優れた空間把握能力を発揮していました。

研究チームはさらに、家庭の収入、親の学歴、子どもの語彙力や運動能力といった要因を統計的に補正しましたが、関係は消えませんでした。つまり、幼児期の遊び方そのものが、のちの空間能力の発達を予測していたのです。

この結果は、「空間のイメージを操る力」が、生まれ持った脳の性質だけでなく、幼いころにどんな体験を積んだか長い時間をかけて関係する可能性を示しています。

たとえば、レゴで遊んだり、プラモデルを組み立てたり立体の形を考えながら遊んだ、自然と空間的な考え方に触れる機会になります。

また、公園の立体遊具やアスレチックで体を動かすことも、身体の位置と空間の関係を理解する練習になります。

研究者らは、幼児期の遊び傾向と後年の空間課題の成績が関連していたことを示し、経験が学びの土壌になり得ることを示唆しています。

ただし、経験すれば必ず能力が伸びると断定しているわけではありません。

しかし今回の発見は、「遊び」が単なる娯楽ではなく、脳を育てる学習の一部であることを示しています。

積み木やブロック、工作、体を使う遊びは、手を動かしながら空間を“考える”経験を与え、のちの学びや創造力の土台となる可能性があるのです。

よく一般的に言われるような男性が得意、女性が不得手というような問題も、性別による向き・不向きではなく、子ども時代に経験する機会の差が能力の差につながっていたと考えられます。

木登りをしたり、プラモデルを作ったりすることを、男の子のような遊びと考える私たちの固定観念自体が、女性は地図が読めないという将来の新たな固定観念を生んでいたのかもしれません。

子どもが夢中で遊んでいるその時間こそが、将来の能力を育てる一歩になっているなら、子どもの遊び方に男の子みたい、女の子みたい、と大人がケチをつけるべきではないでしょう。

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「女性は地図が苦手」の原因?男の子の遊びが空間把握力を高めていた (2/2)のコメント

ゲスト

男女は一緒に遊んだほうがいいでしょう、だってそんなことできるの若いうちだけですし、第二次性徴きたら疎遠になるのですから。

ゲスト

チーメス底辺女性に論理的思考が出来ないのと理系が少ないのにも関連性がありそう

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