あなたは本当に孤独なのか?
孤独は幸福にとって有害であることは、多くの先行研究により示されています。
人間は社会的な生き物であり、多くの人々が暮らす社会とつながっていたいという根源的な欲求があります。
この帰属欲求が満たされず、社会的に孤立し孤独を感じると、うつ病、不安、心血管系疾患、さらには死亡リスクの上昇など、個人の幸福に有害な影響を及ぼします。
しかし孤独感とはなんでしょうか?
孤独感とは「他の人々とのつながりが不十分であると感じ、それが心の中で苦痛を引き起こす状態」と定義されています。
この定義は、孤独感が個々の主観的な感覚に基づいていることを意味しており、客観的に見た他の人々との社会的なつながりの数や質とは必ずしも一致しません。
孤独は皆が同じように感じるものではありません。少ない友人しかいなくても強い孤独は感じない人もいますし、大勢の人たちに囲まれていても常に孤独を感じている人もいます。
こうした孤独感の個人差は、性格、愛着スタイル、社会的支援ネットワークなど、さまざまな要因に影響されると考えられています。
研究者らは、このような個人差について、「自分を孤独と感じない人は皆似ているが、自分を孤独だと感じている人は皆、特有の方法で世界を認識している」という仮説を立て、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いた調査を行いました。
結果、孤独を感じている人は孤独を感じていない人に比べて、より異質で特異な脳処理パターンを示すことがわかったのです。