脳波が語る「音楽で回復する脳」の正体
実験では、単なる気分や思い込みだけでなく、脳の電気活動そのものが「音楽」で回復することが客観的に示されました。
注目すべきは「個人アルファピーク周波数(Individual Alpha Peak Frequency)」という指標です。
これは脳の覚醒度や作業効率のバロメーターで、値が低いほど「疲労脳」、高いほど「元気脳」と考えられます。
ストループ課題後、全員のアルファピーク周波数は低下していました。
しかし音楽群だけが、20分のリスニング後に元の水準まで回復。コントロール群は回復が見られませんでした。
また、脳が疲れているときに増える「スロー波」(デルタ波、シータ波、アルファ波)のパワーも、音楽群では特に前頭葉を中心に有意に減少。
これは「集中力・注意力が戻った証拠」と言えます。
こうした客観的な脳波データと、主観的な「疲労が抜けた」という感覚が見事に一致したことは、音楽の“生物学的な回復効果”を裏付けています。
「ただ何もせず休む」よりも、「音楽を聴きながら休む」ほうが、脳を積極的に“元気な状態”へ引き戻すのです。


























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何もしないで20分過ごすこと自体が現代人にはストレスでしょう。
寝るとかならまだしも。