冬に起きづらく科学的な理由を発見?そもそも夏より長く寝るべきだった
冬に起きづらく科学的な理由を発見?そもそも夏より長く寝るべきだった / Credit: canva
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「人間は冬により長い睡眠時間が必要かもしれない」冬に朝がつらい科学的理由

2023.02.20 Monday

冬になると布団から出られなくなる人々を”怠け者”と言うのは見当違いのようです。

独シャリテ・ベルリン医科大学(CUB)の研究チームはこのほど、人間は他の動物と違って冬眠はしないものの、日が短く寒い冬場には生理的により多くの睡眠を必要としていることを発見しました。

188名の被験者を対象とした睡眠実験では、冬になると浅い眠りを示す「レム睡眠」が夏場より30分ほど長くなっていたことが判明。

もし冬にレム睡眠が増加して深い眠りが減少しているならば、夏と同じペースで冬に活動すると、人間は睡眠不足になる可能性があります。

研究の詳細は、2023年2月17日付で科学雑誌『Frontiers in Neuroscience』に掲載されています。

Humans don’t hibernate, but we still need more winter sleep https://medicalxpress.com/news/2023-02-humans-dont-hibernate-winter.html Humans ‘may need more sleep in winter’, study finds https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2023/feb/17/humans-may-need-more-sleep-in-winter-study-finds
Seasonality of human sleep: Polysomnographic data of a neuropsychiatric sleep clinic https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fnins.2023.1105233/full

「冬のレム睡眠」は夏場より30分長くなっていた

季節ごとの行動変化は、地球上のあらゆる生物に見られるものです。

その最たる例が「冬眠」で、クマやヘビ、昆虫の多くは餌の確保が難しく、気温も低い冬になると、エネルギー消費を抑えるために冬眠をします。

私たち人間も冬眠とまではいわずとも、こうした季節性の変化が存在するのではないかと指摘されていました。

たとえば、被験者に睡眠状況を自己報告してもらう先行研究では、夏より冬に睡眠時間が長くなることが示されています。

しかし、季節が睡眠に与える影響を正確に把握するためには、客観的な測定が必要です。

そこで研究チームは今回、ベルリンにある聖ヘドウィグ病院(St. Hedwig Hospital)にて、何らかの睡眠問題を抱えている患者292名を対象とした睡眠ポリグラフ検査(PSG)」を実施。

具体的には、患者に目覚まし時計なしで自然に寝て自然に起きてもらい、その間の脳波や心拍数、眼球運動、睡眠の質などをモニタリングします。

1年を通した睡眠データを収集
1年を通した睡眠データを収集 / Credit: canva

検査は1年を通して定期的に行われ、それにより月や季節ごとの詳細な睡眠データが取得されました。

この研究では最終的に、睡眠に影響を与える薬を服用していた患者、技術的に正確な検査ができなかった患者を除いた188名のデータが分析されました。

その結果、季節にともなう微妙ではあるが顕著な変化が発見されました。

まず、睡眠の総時間は夏より冬(日が短くなる12月〜2月)の方が1時間ほど長いように見えましたが、有意な差ではありませんでした。

しかし、レム睡眠の時間は夏より冬の方が明確に30分ほど長くなっていたのです。また、春先では秋よりも約25分長くなっていました。

この結果は、一体どういう事実を示しているのでしょうか?

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