37%も柔らかい高齢者のアキレス腱

アキレス腱の軟らかさが高齢者の不安定さにつながるのか?
15名の若い成人男性(平均26.5歳)と、11名の健康な高齢男性(平均73.9歳)が研究に参加しました。
まず行ったのは、アキレス腱の「硬さ」の測定です。ここでいう「硬さ」とは、筋肉が力を入れて引っ張ったときに腱がどれくらい伸びにくいかを示す特性のことです。
測定には、体の内部を映す超音波エコーという装置を使いました。これは、超音波を体に当てて跳ね返った波を映像に変換し、筋肉や腱の動きを観察できる装置です。
研究チームは、参加者がふくらはぎに力を入れたときにアキレス腱がどのくらい伸びるかを詳しく調べました。
「どれだけ力を加えると、どれだけ伸びるのか?」という関係を数値化し、若者と高齢者で比較したのです。
次に研究チームは、「立っているときの体の揺れ方」を調べました。
じっと立っているように見えても、実際には体の内部では細かい揺れが起きています。
そのため研究者たちは、足の裏に圧力センサーを敷いた特殊な台の上に参加者を立たせ、重心がどのように微妙に動いているかを計測しました。
同時に、超音波エコーでふくらはぎの筋肉がどのように縮み、アキレス腱がどのように伸び縮みしているかを観察しました。
つまり、見えない「微小な揺れ」を映像化することで、体の中の筋肉と腱の働きを明らかにしたのです。
この方法によって、直立しているだけでも筋肉と腱が細かく連携している様子がはっきりと確認されました。
研究によって見えてきたのは、従来の常識とはまったく異なるアキレス腱とバランスの深い関係でした。
その結果、アキレス腱の硬さは若者の方が高く、高齢者の方がはるかに低い(柔らかい)ことが明らかになりました。
意外なことに、高齢者のアキレス腱は若者より約37%低い値(85.8→53.7 N/mm)を示しました。
さらに静かに立っている間の筋肉と腱の動きを比べると、どちらの年代でも体が少し前に傾きかけた瞬間に、ふくらはぎの筋肉が反応して収縮し、アキレス腱が伸びるという現象が確認されました。
しかし、高齢者ではその筋肉の縮みの大きさが若者よりも大きいことがわかりました。
言い換えれば、高齢者は同じような揺れを感じたときに、若者よりも筋肉を強く縮めて支えようとしており、その結果アキレス腱の伸びも大きくなっていたのです。
また、この筋肉の大きな縮みが見られる人ほど、立っているときの体の揺れが大きい傾向がありました。
つまり、筋肉の縮みの大きさと体の揺れとの間に明確な相関関係があったのです。
高齢者グループに特有の「筋肉の大きな縮み」は、わずかなふらつきへの姿勢調整の乱れと結びついていることがわかりました。
筋肉と腱は切れ目なくつながっているため、腱が柔らかすぎる(伸びやすい)と筋肉は余計に縮まざるを得なくなります。
しかし、筋肉は過度に縮んだ状態では十分な力を出しにくいという性質があります。
そのため、高齢者のふくらはぎの筋肉は腱が柔らかすぎるせいで、力を出し切れずに「空回り」している状態かもしれません。
研究チームは、アキレス腱の硬さが低下すると筋力の伝わり方が変化し、そのことが高齢者特有の姿勢の不安定さと関連している可能性が高いと考えています。

























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