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Credit: canva
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不安障害の人の脳では「ある栄養素」のレベルが低くなっていた (2/2)

2025.11.12 12:00:45 Wednesday

前ページ不安障害で「コリン」が低下

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コリンとは何か?役割と不安障害への影響

では、コリンとはそもそもどんな物質なのでしょうか?

コリンは体内で少量は合成されますが、大部分は食事から摂取する必要がある「必須栄養素」です。

細胞膜の材料となるほか、脳神経の働きや記憶力、気分の調整、筋肉の動きなど、私たちの日常生活を支える多彩な役割を持っています。

研究を主導したリチャード・マドック教授は「コリンの低下は不安障害の原因の一部であり、今後は栄養学的なアプローチも治療に取り入れられる可能性がある」と述べています。

ただし「現時点では、コリンを多く摂れば必ずしも不安障害が改善するとは言い切れない。今後さらに研究が必要」とも強調しています。

なぜ不安障害の人でコリンが低下するのか、その理由の一つとして「闘争・逃走反応(fight-or-flight)」によるコリン消費の増加が挙げられています。

強いストレス状態が続くと脳内でコリン需要が高まり、結果的に慢性的な不足につながっている可能性があるのです。

実際、米国の調査では、多くの人が推奨されているコリン摂取量を満たせていないことがわかっています。

コリンを多く含む食品には、牛レバーや卵黄、鶏肉、魚、大豆製品、牛乳などがありますが、食生活の欧米化や偏食傾向の強まりで現代人のコリン不足が指摘されているのです。

もちろん、現段階では「コリンをたくさん摂ればすぐに不安障害が治る」という単純な話ではありません。

しかし、自分の食事や健康状態を見直すことが、こころのケアの第一歩になるかもしれません。

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