「30分の運動」が脳の神経回路のつながりを強め、抗うつ効果を示す
運動をするとどのようにして前帯状皮質がこれほど素早く活性化するのでしょうか。
研究チームがマウスにおいて、体から脳へ伝わる分子シグナルを詳しく調べたところ、運動後にアディポネクチンというホルモンが急増していることが明らかになりました。
アディポネクチンは脂肪細胞が分泌する物質で、もともとは代謝や炎症の調節に関わるホルモンとして知られています。
そして今回の研究では、運動後に血液中だけでなく、前頭前野、とくに前帯状皮質を含む領域でもアディポネクチンのレベルが上昇していることが確認されました。
さらに、前帯状皮質にある興奮性ニューロンの多くが、アディポネクチンを受け取るための受容体を持っていることも分かりました。
つまり、運動をすることで脂肪細胞からアディポネクチンが放出され、それが血液を通じて脳に届き、前帯状皮質のニューロンに直接作用する仕組みが備わっていたのです。
では、アディポネクチンがニューロンに届くと、細胞の中では何が起こるのでしょうか。
研究チームによると、APPL1というタンパク質が細胞の核へ移動し、神経同士のつながりを強くするタンパク質が作られやすくなることで、前帯状皮質の神経回路が短時間で強化されます。
また、このAPPL1の動きを薬で止めると運動の抗うつ効果も消えました。
このことからも、アディポネクチンがAPPL1を動かして神経回路の繋がりが強まる仕組みが、「1回の運動で気分が持ち直す」メカニズムの中心だと考えられます。
研究チームは今後、どの程度の強さや時間の運動が最も効果的なのか、また年齢や性別によって反応が変わるのかを調べていく予定です。
今回明らかになったメカニズムを利用すれば、体の事情などで運動が難しい人にも、運動に近い気分改善効果を届けられる可能性があります。
30分の運動で気分が良くなるのは、脂肪細胞から分泌されるホルモンが脳の前帯状皮質に働きかけ、神経回路のつながりを短時間で「強化する」からだと分かりました。
私たちが日常生活の中で感じている「運動すると気分が明るくなる」という現象の裏には、このような精密な生物学的メカニズムが隠れていたのです。


























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