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Credit:Generated by OpenAI’s DALL·E,ナゾロジー編集部
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現存する「最古のザトウクジラの声」の音源を発見 (2/2)

2026.02.13 12:00:30 Friday

前ページ1949年の海で録られていた「正体不明の音」

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騒がしくなった海と、音の基準点

この1949年の録音が持つ意味は、単なる歴史的価値にとどまりません。

現在の海は、船舶騒音や産業活動などにより、かつてよりはるかに騒がしくなっています。音源の数も種類も増え、海の音環境は大きく変化しました。

そのため、過去のクジラの鳴き声を知ることは、騒がしくなった現在の海との比較において重要な「基準点」になります。

ザトウクジラの歌が時間とともにどのように変化してきたのか、人間活動がどのような影響を与えてきたのかを検証する手がかりになるのです。

WHOIは現在、受動音響ブイやスローカム・グライダー、自律型ハイドロフォンなどを用いて海を常時モニタリングしています。

また、Robots4Whalesプログラムでは、デジタル音響監視装置(DMON)を搭載した自律型ロボットが、リアルタイムでクジラの存在を検出しています。

音の周波数変化を解析し、既知の鳴音ライブラリと照合することで、どの種のクジラが鳴いているのかを分類します。

その結果は衛星経由で陸上に送られます。

このような高度なシステムと比べると、1949年の録音は極めて原始的です。しかし、その素朴な記録が、80年後の科学に新たな問いを投げかけているのです。

意味が分からなくても、残しておく価値

今回の発見が教えてくれるのは「今は意味が分からないデータでも、未来の科学を変える可能性がある」という事実です。

1949年の研究者たちは、自分たちがザトウクジラの歌を録っているとは知らなかったかもしれません。

しかし、その音を消さずに残していたからこそ、私たちは現在の海と過去の海を比較できるのです。

海は目で見るだけでは分かりません。耳を澄ますことで、初めて見えてくる世界があります。

80年前に刻まれた小さなディスクは、静かにそう語りかけているのかもしれません。

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