マウス脳全体を凍結➔解凍させてみた

研究チームは、脳の一部だけではなく、脳全体を頭の中に残した状態でも挑戦しました。
ただこれはぐっとハードルが高くなります。
というのも、脳全体をきちんと守るには、薬剤や水分を脳全体へ均一に届けることが難しいからです。
少しでもバランスが崩れると、水分が片寄ってしまって脳が縮んだり膨らんだりします。
脳細胞にとっては、ただ凍る以上に過酷な環境なりえます。
今回もやはり難しく、最終的な実験で生理学的な評価まで進められた標本は約3分の1でした。
しかし重要なのは、その成功したケースです。
脳全体を凍らせたあとでも、脳の記憶に深くかかわる「海馬」の入り口に近い領域では、神経細胞の電気的な活動がかなり保たれていました。
さらに、学習や記憶を支える長めの仕組みもは保たれていました。
この結果は、全脳レベルの冷凍➔解凍を行っても、一部の細胞が生き残れるだけでなく、学習や記憶を支える細胞レベルの仕組みの一部が保たれていたことを示します。
この結果が意味するのは、脳の働きが思っていた以上に「形」と深く結びついている可能性です。
脳は電気の火花が飛んでいるだけの器官ではありません。
無数のつながり方そのものが、働きの土台になっています。
だからこそ、その形を壊さずに止められれば、機能もまた立ち上がる余地があるのです。
今回の研究は、その考えをかなり強い形で支えました。
脳は壊れやすい一方で、正しい守り方さえできれば、驚くほどしぶといのかもしれません。
もちろん、ここからすぐに人間の冷凍睡眠や、記憶をそのまま未来へ運ぶ話に飛ぶことはできません。
確かめられたのは主にマウスの海馬であり、脳全体では成功率もまだ高くありません。
それでも価値が大きいのは、今回の研究が「凍らせても残るものは何か」を、夢物語ではなく具体的な回路の働きとして測ってみせたからです。
ドイツの研究者アレクサンダー・ジャーマン氏は、将来は宇宙旅行や、いまは治療法のない病気の患者のための選択肢につながるかもしれないと語っています。
もしかしたら未来の世界では、適切なガラス化で冷凍された「復活を前提とした脳」を故意に破壊することが、いまの私たちが考えるよりはるかに重い行為とみなされるのかもしれません。




























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