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観葉植物に室内の空気を浄化する力はあるのか / Credit:Canva
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観葉植物は部屋の空気を浄化してくれるのか【科学的な視点】 (2/2)

2026.05.10 12:00:59 Sunday

前ページ観葉植物に「空気清浄」効果はあるのか

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家庭の空気を改善する主役は、植物ではなく換気と発生源対策

2019年の研究では、植物の空気清浄能力を、実際の建物で起きる空気の入れ替わりと比較しました。

その結果、建物の自然な換気がすでに行っている汚染物質の希釈と同じ効果を、植物だけで得ようとすると、1平方メートルあたり10株から1000株もの植物が必要になると推定されました。

これは、普通の家庭ではほとんど現実的ではありません。

数鉢の観葉植物を窓辺や棚に置いたとしても、それだけで部屋全体の空気をきれいにするのは難しいのです。

さらに、家庭の空気環境は実験室よりずっと複雑です。

実験では、汚染物質を一度だけ入れ、その後どれくらい減るかを見ることがよくあります。

しかし実際の家では、汚染物質は一度出て終わりではありません。

料理をすれば煙や微粒子が出ます。

掃除では洗剤やスプレー由来の成分が空気中に広がることがあります。

家具からは揮発性有機化合物が少しずつ出る場合があります。

暖房、カビ、湿気、外から入ってくる交通由来の汚染も関係します。

しかも、室温、湿度、家にいる人数、換気の状態は一日の中でも変化します。

このような環境では、植物が汚染物質を少し吸収したとしても、それだけで室内空気の問題を解決することはできません。

そのため、室内の空気を改善したいなら、まず大切なのは汚染源を減らすことです。

強い化学臭のするスプレーや洗剤の使用を見直すこと、湿気や漏れによるカビの発生を防ぐこと、煙や臭いを出す原因を減らすことが基本になります。

次に重要なのが換気です。

窓やドアを開ける、台所や浴室の換気扇を使う、また屋外に排気できる設備を活用することで、室内の汚染物質を薄めることができます。

空気中のホコリ、花粉、ペットのフケ、煙などの粒子を減らしたい場合には、HEPAフィルター付きの空気清浄機が役立つ場合があります。

HEPAフィルターは、非常に小さな粒子を少なくとも99.97%捕集するよう設計されたフィルターです。

一方で、臭いやガス状の揮発性有機化合物を減らしたい場合、活性炭フィルターを備えた機種を選ぶ必要があります。

ただし、どの空気清浄機もすべての汚染物質を取り除けるわけではないため、目的に合った性能を見ることが重要です。

では、観葉植物は無意味なのでしょうか。

もちろん、そうではありません。

観葉植物は、部屋をやわらかい雰囲気にし、見た目の快適さや心理的な落ち着きを与えてくれます。

大切なのは、観葉植物に「暮らしを心地よくする」役割を委ね、空気を整える役割は、私たちや空気清浄機が担うことなのです。

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