「小さな金額」の変動は、予想以上にストレスを与える
これまで金融ストレスの研究では、「年収」や「借金総額」といった比較的大きな数字が重視されてきました。
つまり、金融ストレスは、比較的変わりにくい経済状態と結びつけて考えられがちだったのです。
しかし研究チームは、実際の人間の感覚はもっと細かく揺れ動いているのではないかと考えました。
例えば同じ年収の人でも、「今週はなぜかお金が不安」「今月は支払いが重く感じる」といった感覚の波があります。
これは、毎週のお金の出入りが心理に影響している可能性を示しています。
そこで研究チームは、アメリカ在住の労働者324人を対象に、9週間にわたる追跡調査を行いました。
参加者には毎週、どれくらい収入があったか、どれくらい支出したか、予算をオーバーしたか、借金返済がどれほど複雑だったか、そしてどれほど金融ストレスを感じたかなどを報告してもらいました。
ここで面白いのが、「借金返済の複雑さ」まで調べていた点です。
これは単純な借金額ではありません。
例えば、クレジットカードやローンなど、複数の返済を同時に管理しなければならない状態を指します。
つまり研究チームは、「お金が足りないか」だけでなく、「返済を管理する複雑さ」が金融ストレスと関係するかも調べていたのです。
そして分析の結果、年収や週ごとの収入、週ごとの支出、予算オーバー、借金返済の複雑さは、いずれも金融ストレスと関係していました。
しかも重要なのは、その関係が単純な比例関係ではなかったことです。
特に、小さな金額の変化が予想以上に大きな心理的影響を与えていました。
ではなぜ、人は「小さなお金」にここまで振り回されるのでしょうか。
「大きな必要経費」より「小さな浪費」が心を揺らしている
研究では、大きなボーナスや高額昇給には、ある程度を超えると効果が鈍る傾向が見られました。
つまり、大きな臨時収入があれば、その金額に比例してどこまでも安心感が増す、という単純な関係ではなかったのです。
一方で、数千円規模の小さな支出や予算オーバーは、金融ストレスをかなり強く動かしていました。
しかも興味深いことに、人は高額な「必要経費」よりも、小さな「余計な出費」に強いストレスを感じやすい可能性が示されました。
例えば、医療費や車の修理費などは高額でも、「仕方ない出費」として受け入れやすい傾向があります。
しかし、社交イベントなどで予定より使いすぎた小さな出費は、「自分の選択が悪かったのかもしれない」という感覚につながりやすくなります。
そのため、金額が小さくても心理的負担が大きくなる可能性があります。
つまり私たちは、口座の残高だけでなく、「今週のお金を自分で管理できているか」という感覚にも強く反応しているのです。
研究チームは、この知見は職場環境にも重要だと述べています。
金融ストレスは家庭内だけでなく、職場での人間関係、エンゲージメント、全体的な幸福感にも影響を与える可能性があるためです。
個人にとっては予算管理や金融計画が助けになり、雇用主にとっては小刻みなボーナスや借金整理支援などを整えることが意味を持つ可能性があります。
私たちは普段、「人生を左右するのは大きなお金」だと思いがちです。
しかし実際には、人の心を静かに揺らしているのは、日々の中で動く小さなお金なのかもしれません。
























これは分かる
スマホ通信代が通話したせいで少し高いとなんかイヤ〜な気分になる
単に損得勘定に敏感というだけだと思う
必要経費は大金でも仕方ないと思えるが、そうでない出費は「これは無駄だったのでは?」「もっと安く済ませられたのでは?」「あの時こんな出費をしなければ」などと色々後悔しがち
それは額の問題ではなく、むしろ大金であれば事前に納得するまで綿密に下調べするから後悔が少ない
ちなみにこれは時間にも同じことが言える
必要な時間は長くても仕方ないと思えるが、そうでない時間は「無駄に過ごしてしまった」「この時間に別のことをしていれば」などと後悔しがち
30分も無駄にSNSを見てしまったとかね