「酸素を割るのが苦手」な金を触媒にできるかもしれない

ちなみに、ここまでの「金属の表面で分子のペアをほどく」という話に、どこかで聞いた覚えがある人もいるかもしれません。
これはまさに、触媒(自分自身はあまり変わらずに、ほかの分子の化学反応を進めてくれる物質)の働き方そのものなのです。
たとえば白金(プラチナ)やパラジウムといった金属は、その表面で酸素分子のペアを次々とほどき、反応をスムーズに進める「働き者の触媒」として知られています。
自動車の排ガス浄化装置で活躍しているのも、まさにこの仲間です。
ところが金は、酸素分子をほどく触媒としては、かなり不器用すぎる表面を持っています。
六角形の盾をびっしり敷き詰め、酸素分子に足場をひとつも与えてくれないからです。
宝飾品としては最高の美徳である「酸素と関わらない性質」が、触媒の世界では最大の弱点になる――。
金は、まったく同じひとつの仕組みを使って、宝飾品の世界では英雄を、触媒の世界では落ちこぼれを演じている、なんとも不思議な金属なのです。
ところが今回の研究は、この弱点に対しても、ひとつの道筋を示しました。
裏を返せば、金の表面に組まれた六角形の陣形を、何らかの方法で乱すことができれば、金は酸素と反応しやすくなり、特定の酸化反応では、酸素分子を分解しやすい金触媒へ近づけられる可能性がある、ということになります。
「金は、なぜ錆びないのか」がわかったからこそ、その仕組みを部分的にオフにする方法も見えてくる、ということです。
宝飾品として身につけるときは、原子の盾はそのままに。
化学工業で働かせたいときには、盾を一時的に外す。
そんな使い分けが、いずれ可能になるかもしれません。
具体的な応用先としては、プラスチック原料となる酢酸ビニルの製造、自動車の排気ガスに含まれる一酸化炭素の浄化、酸化プロピレンという工業用の重要な化学物質の合成などが挙げられています。
これまでは、金触媒の性能を上げるために、金にほかの金属を混ぜたり、ごく小さな金の粒(ナノ粒子)を別の物質に貼りつけたり、というやり方が中心でした。
今回の研究はそこに、「表面の形そのものを操作する」という、もう一つの選択肢を加えたことになります。
宝飾品としての”錆びない金”。
触媒としての”働く金”。
このふたつを両立させる入り口に、研究は立ったのです。
金は「1人で電子を守る個人技」と「仲間と六角形を組むチームプレイ」の二重防御によって、その輝きをずっと守り続けてきました。
次にあなたが博物館でツタンカーメンの黄金マスクを見るとき、その表面ではいまこの瞬間も、無数の原子たちが六角形の陣形を組み続けているはずです。
3000年前から続いている、目に見えない「防御工事」のおかげで、あの輝きが、いま私たちの目に届いているのです。







































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