金星の灼熱地獄は衛星の落下が引き金かもしれない

衛星を失ったことは、金星にとって小さな出来事ではなかったかもしれません。
衛星が墜落するときには、莫大なエネルギーが金星の地表と大気に注ぎ込まれます。
論文は、それが金星の水の喪失や、灼熱の温室状態への移行(暴走温室)に関わった可能性を指摘しています。
また、砕けた衛星の破片が降り注いだなら、大気に含まれる希ガスなどの比率にその名残が刻まれている可能性があり、NASAの金星探査機ダヴィンチ(DAVINCI)による大気の直接観測で確かめられるかもしれないと論文は述べています。
この結果が示す意味は、金星だけにとどまりません。
恒星の近くを回り、自転がゆっくりな岩石の惑星は、大きな衛星を持ち続けにくいと考えられるからです。
ケイン氏は「他の恒星を回る地球の双子について考えるとき、人々が抱く疑問の一つが『その惑星に衛星はあるのか』です。私の研究は、そうしたケースの多くにとって憂慮すべきシナリオを示しています。自転が十分に速くなければ、衛星は地表に墜落し、その惑星の歴史の流れを変えてしまうでしょう」と話しています。
月の浮かぶ夜空は、地球が回転の勢いを保ってきたからこそ手に入った眺めなのかもしれません。





























