・難民支援団体 “REFUNITE” が、膨大な労力と時間が必要とされる「AIのトレーニング」でお金を稼げるアプリ “LevelApp” を開発
・現在、試験的にウガンダの難民5,000人がこのアプリを通して仕事に従事している
・このアプリによる収入はウガンダの難民の収入を「16倍」にする可能性がある
およそ6,850万人ー。
世界中で暴力や戦争、迫害により自らのホームタウンを追われ、強制的に「難民」となってしまった人たちの数です。これはもはや、イギリスの人口をも上回る数となっています。
非営利団体 “REFUNITE” は、そのような難民の人々が、家族などの愛する人と再会できる機会をつくる支援を行なっている団体です。
彼らはこれまで、多くの希望を失ってしまった難民の心を救ってきましたが、今度は「経済的」にも手を差し伸べようと試みています。そしてその方法は驚くべきことに、今や先進国において最もホットな「人工知能」、つまり「AI」の分野において難民に仕事を与えようといったものなのです。
AIとは言え、はじめは判断の元となる正しくラベリングされた膨大なデータセットを構築しなければいけません。そこには膨大な労力と時間が必要になります。REFUNITEはそこに目をつけ、そのお手伝いをして「AIをトレーニング」することで、簡単にお金を稼ぐことができるアプリ “LevelApp” を考え出したのです。
このプロジェクトでは、まずはウガンダの5,000人の難民に、試験的にアプリを使用してもらっており、そのうち200人は、AI開発に関するプラットフォームを提供する仮想通貨「ディープブレインチェーン」においてラベリングに従事しています。そしてもしこのトライアルが成功すれば、2年以内にその対象をウガンダの難民「25,000人」に広げる予定です。
REFUNITEの最高経営責任者の一人であるクリス・ミッケルセン氏は、LevelAppを用いることで、一人につき「1日20ドル」を稼ぐことができると述べています。これは多くの地域の人にとってはささいな金額に感じるかもしれませんが、ウガンダの難民にとっては、生活の質を大幅に向上させられるだけの金額になります。
現在ウガンダの難民が単純労働により稼ぐことができる賃金は、およそ「1日1.25ドル」であり、これは、LevelAppが彼らの収入をこれまでの「16倍」にしてくれることを意味しています。これにより彼らは、健康や子どもの教育のために使えるお金を捻出できることでしょう。
つまり、この1つのアプリは「AIが発達した未来を形作る手助け」をするだけでなく、傷ついた「難民の人々の生活を立て直す」きっかけを与えてくれるものでもあるのです。まさに両者にとってwin-winと言えるこの試みが成功すれば、先進国と発展途上国どちらにとっても非常に意義のあるステップが踏まれるでしょう。