・インドネシアの「グヌンパダン遺跡」が世界最古のピラミッドだという説を裏付ける研究発表が行われた
・建造物は地下の奥深くにまで広がっており、先史時代に次々と積み重ねるようにして作られた4つの層から成る
・各層は、人為的に加工や配置がなされた石からできていおり、宗教的な目的で作られた可能性がある
エジプト人にとっては歓迎しがたいことかもしれません。
インドネシアの西ジャワ州の「グヌンパダン遺跡」こそが、世界最古のピラミッドであるという説が存在します。
高さ95メートルのピラミッド型をしたグヌンパダン遺跡は、広大な丘の上にが広がる東南アジア最大の巨石遺構。20世紀初頭にジャワ島に上陸したオランダ人開拓者は、この遺跡を初めて目にしてその大きさと迫力に度肝を抜かれたことでしょうが、地面の下にさらなる謎が埋まっているとは想像だにしなかったかもしれません。
インドネシアの地球物理学者ダニー・ヒルマン氏は、数年前から「グヌンパダン遺跡こそ世界最古のピラミッドである」という説を唱え続けており、物議を醸してきました。今年12月に行われたAdvancing Earth and Space Scienceの学会で、ヒルマン氏らの研究チームが、この説を証明する可能性のあるデータを発表して注目を集めています。
https://www.essoar.org/doi/pdf/10.1002/essoar.10500119.1
ピラミッドは地下まで広がっていた!人の手で加工された痕跡も
ヒルマン氏は、建造物は、丘の頂上だけではなく、その下に広がる斜面(少なくとも15ヘクタールの領域)を包むようにして広がっており、しかも地表だけではなく、地下の奥深くにまで広がっていると発表。彼によると、グヌンパダン遺跡は、単なる人工建造物ではなく、先史時代に次々と積み重ねるようにして作られた層状の建造物だというのです。
調査は、地中レーダー探査、地震波トモグラフィー、発掘調査を組み合わせて行われました。その結果、岩の柱、壁、通路、空間などの建造物から成る第1層から地下へ1〜3メートルほど進むと、第2層が出現します。過去の研究では、第2層の石の並びは自然に生まれたものだと理解されてきましたが、ヒルマン氏らは、円柱状の石があるマトリックス構造にしたがって人為的に配列されていると説明しています。
さらに地下15メートルの地点には、石を配列して作られた第3層があります。この層には、大きな空洞や部屋のようなものがところどころぽっかりと空いています。またその下には、火山岩の一種である玄武岩から成る第4層が横たわっています。この玄武岩も自然のものではなく、人の手で修正や彫刻が施されているそうです。