身近なものが神秘的に変化する――。そんな経験、みなさんはしたことがあるでしょうか。
最近Twitter上で、梅干しに宝石のような結晶が乗っている画像が話題になっています。まるで人工物かのように、きれいな立方体様の透明な塩化ナトリウムが重なっているのです。
結晶:塩化ナトリウム
母岩:梅干し pic.twitter.com/LjjP77nlS8— のぎ (@nogi_z) December 17, 2018
これは美しい…
ちなみにこの梅、しっかりと@nogi_zさんによって美味しくいただかれ、生まれたて(?)の姿がこちら。
梅干しは有機物なのでおいし…いかどうかはさておきいただいたあと無機物はこう pic.twitter.com/YrJG0XZfFI
— のぎ (@nogi_z) 2018年12月17日
見事なまでの直角、直線です。
一体なぜこんなに美しい結晶が生まれるのでしょうか?その謎を解くため、ナゾロジー編集部が理科の専門家に話を聞いてみました。
ポイントは飽和状態と原子の構造
「乾燥して塩化ナトリウムが飽和状態になると、水に溶けきれずこのように再結晶化します。ちなみに飽和水溶液に関しては中学校1年生で学習しますね」
飽和水溶液…懐かしい響きです。確かに中学生の時、飽和状態について学んだ記憶があります。
というわけで、どうやらナゾを解く鍵は「飽和状態」にある模様。ですが、こんなに見事な塩化ナトリウムの結晶が梅干しについているところは見たことがありません。
一体なぜこんな現象が起こるのでしょうか?教えて先生!
「普通は飽和状態になっても、いくつかの結晶がまだらに生成されることがほとんど。これほど大きい結晶になったのは、再結晶化するときに核(きっかけ)になるものがあったと考えられます」
なるほど。核があるからここまで成長したんですね。しかしそれにしても、なぜこんなに美しい形になるのでしょうか?