■トルコのズィンジルリで、2800年前の碑文が発見された
■碑文には、火を吐く生き物”devourer”(貪る者)の絵が描かれ、アラム語の呪文が記されている
■「貪る者」とはムカデやサソリを、「火」はその針で刺された時の痛みを指していると推測
古代オリエントのエキゾチックな雰囲気が蘇るようです。
2,800年前の呪文が記された碑文が、トルコ南部の都市「ズィンジルリ」で発見されました。シカゴ大学の研究チームが今年11月に行われた”Society of Biblical Literature”の年次学会で発表したところによると、碑文には「魔術師」の男性の手で「貪る者」の絵が描かれているとのこと。
魔術師やら貪る者やら、一体どういうことなのでしょうか…?
火を吐く獰猛な「貪る者」が描かれた碑文を発見
紀元前1200年頃のヒッタイト人の滅亡後、隊商貿易で財を成したアラム人が、紀元前900年〜720年頃にかけ、シリアから北メソポタミアの周辺に多くの都市国家を形成しました。その一つが「サム・アル」(現在のズィンジルリ)です。
碑文が見つかったのは、このズィンジルリにたたずむ小さな建物の中。この街では19世紀以降数々の発掘が行われていましたが、2017年8月、ズィンジルリでの発掘作業中に、発掘作業中に呪文が刻まれた石製の化粧道具入れが発見されました。
発見された碑文には、火を吐く獰猛な生き物”devourer”(貪る者)の姿が描かれ、アラム語の呪文が記されています。では、このちょっと胸がときめく名前の「貪る者」とは、一体何者なのでしょうか?