タイプ5:低レベルのストレスで、ストレス過多の出来事にも影響を受けにくい人
この5つのサブタイプのいずれに当てはまるかで、不眠症への対処とうつ病発症率は異なります。例えば、タイプ2とタイプ4に属する人には、「ベンゾジアゼピン」という精神安定剤を服用すると症状に改善が見られました。一方で、タイプ3の人には、精神安定剤による治療に効果がありませんでした。
それから、タイプ2とタイプ4の間でも違いが見られ、タイプ2には、「認知行動療法(cognitive behavioral therapy)」と呼ばれる会話セラピーの効果が見られましたが、タイプ4には、まったく効き目がなかったのです。そして、うつ病発症リスクがもっとも高かったのは、タイプ1に属する人であることも分かっています。
これら5つの不眠症タイプは、時間の経過に左右されることがなく、5年後の調査においてもまったく同じ傾向を示したのです。今回の研究で、不眠症がうつ病に直結してしまう固有のタイプがあることが判明しましたが、また、これにより、個人の特性に合った適切なセラピーも可能になります。
「不眠症」にとって万能の良薬を探し求める前に、「自分がどのようなストレス状況にあるか」「どういう性格特性をしているか」をまずは見極めることが改善へのもっとも好ましい近道なのです。