■日本の中小製造業の人たちのコマ勝負がアツい
■大会で盛り上がる中あるコマの技術の解説動画が話題に
やっぱり技術と技術のぶつかり合いは最高です!
日本の伝統的な玩具であるコマですが、最近は少子化などの影響で少しずつプレイ人口は減少しつつあります。しかし2012年頃、震災の影響を受けた日本の町工場を、コマで盛り上げようとする流れが起きます。
そのうちの一つ、「全日本製造業コマ大戦」は現在でも続いており、全国の町工場を巻き込んだ大きなイベントへと成長。最近、競技用コマに関するツイートが話題になり、7000回以上リツイートされています。
変形ゴマ「開き系」
開き系は作るのが難しく投げるのも難しい諸刃の剣。
実は圧倒的強さを持っているように見えて、全国で優勝経験は数チームしかないのです。
最近では高校生が開き系作ってくるなど、コマ大戦のレベルは確実に上がってきてます。
(動画の腕毛がキチャナイ。。。スミマセン) pic.twitter.com/1zeMD7AHhv— パクチー長瀬@公式 (@Pakuchii_nagase) 2019年3月20日
通常私たちがイメージするコマは、投げたら最後、あとは回り続けるのを見守るだけのコマでしょう。しかし「開き系」と呼ばれる変形ゴマは、回転と同時に本体が展開し、大きくなります。
一見「そんなのアリ?」と思うかもしれませんが、実はコマ大戦のルールには何の違反もしていません。公式レギュレーションでは、「静止時は」回転軸に対し直径20mm以下でなければなりません。つまり、回っている間なら直径が変わっても良いのです。
コマ大戦の主なレギュレーションは、コマの大きさです。直径と高さは1000分の1ミリ単位で厳しく規定されたサイズ制限があり、日本中の参加者がその中で様々な工夫を凝らし、コマを作って戦っています。
逆に、大きさ以外についてはかなり自由度が高く、重さや素材に対する制限が無いため様々な発想で勝負ができるようになります。「開き系」の変形ゴマも、止まった時にきちんと元のサイズに戻らないと失格にはなりますが、サイズ制限を逆手に作られた結果生まれたコマのようです。まさに発想の勝利ですね。
https://www.komataisen.com/
「最強」は無い。目指すは「最優」のコマ
豪快で派手な変形ゴマですが、それでも無敵という訳ではありません。コマの種類によって相性があり、さらにそれを克服しようと回し方で差をつける戦法もあるとか。
例えば、1点に留まって持久戦をするコマに変形型は有利で、その変形型に重量型でぶつかる前提の低重心型は有利です。そして、そこに対抗できるのは相手の回転力を吸収できる小さなコマなど、まるでジャンケンのようにです。
回すまで何が起こるか分からない相性、そして回す人の技量…。ただのコマと侮るなかれ、たくさんのアツい要素がこめられているコマ大戦なのです。