■米国ノースダコタ州で、約6,600万年前にユカタン半島に衝突した小惑星により被害を受けた多くの生物の化石が発掘された
■衝突により生まれた大津波により、多くの海中生物が陸地に投げ出され、テクタイトの雨に打たれたと考えられる
■当時地球上の生命の75%が死滅したとされており、これらの化石はそんなビッグイベントについて知る重要な手がかりとなる
「衝突」の直後について知る、貴重な手がかりです。
およそ6,600万年前、恐竜の絶滅につながったとされる小惑星の衝突により、陸地に打ち上げられたとみられる生物たちの大量の化石が、ノースダコタ州の氾濫原にて発掘されました。
衝突場所の数千マイル先を襲う大津波
見つかった生物の種類は多岐にわたります。化石化した魚、植物、ほ乳類、昆虫、海生爬虫類、そして中にはトリケラトプスのものもあり、それらは地層の中に重なるように並んでいるところを発見されました。
化石がみつかったのは、小惑星の衝突場所であるメキシコのユカタン半島から数千マイルも離れた場所ですが、その衝撃が大きな津波を生み出し、付近の川の流れを逆流させ、チョウザメなどといった大量の生物を陸地に打ち上げたことが考えられます。
砂の上に打ち上がった魚たちは、その後空から降り注ぐ高速のテクタイト(衝撃で溶けた岩などが上空で急速に冷え固まったもの)と呼ばれるガラスのビーズに体を打たれたとみられています。
また、化石の状態からテクタイトは最初の地震波の後10~20分もの間地表に降り注ぎ続けていたことが分かりました。そしてその後に2度目の地震波が届き、これにより魚たちが砂や砂利に埋められたことが考えられます。