■てんかん発作が「におい」で予知できる可能性
■糖尿病やがんなど「におい」と病気との関係は古くから知られている
■犬に嗅ぎ分けさせることで発作に特有の「におい」があることがわかったが、発作の予知には更なる研究が必要
人体から発するにおいの不思議が、解明されつつあるようです。
てんかん発作はいつどこで起こるかわからず、周りの状況によってはケガなどの危険性があります。このてんかん発作、「におい」で予知できる可能性があるそうです。研究は3月28日付けのSCIENTIFIC REPORTS に発表されています。
https://www.nature.com/articles/s41598-019-40721-4
てんかん発作の予知で事前の危険を回避
てんかんとは、脳の異常な神経活動により発作を起こす神経疾患です。
光の点滅など、発作を誘発するものは、いくつかありますが、基本的にいつ発作が起きるかわからないことが多い病気です。
突然意識を失うケースもあるため、日常生活に危険が伴います。
しかし、このてんかん発作を予知できるとしたら、危険を回避できる可能性があるのです。
フランスのレンヌ大学の研究チームは、古くから知られている「におい」と病気との関係に着目し、てんかん発作が「におい」で予知できないかと考えました。
研究チームはてんかん患者を5人集め、てんかん発作時、運動時、通常の生活時の体臭や口臭をスチール缶に採取しました。それから、訓練したラブラドールレトリバーなど5頭の犬にこの「におい」入りスチール缶を嗅がせました。
すると犬は発作時の「におい」を嗅ぎ分けたのです。このことから、てんかん発作には特有の「におい」があるといえます。ただ、てんかん発作を予知するためには「におい」の原因物質の特定など、さらなる研究が必要とのこと。