■スウェーデン王立工科大学の研究チームにより、半透明の木材が開発された
■この木材は熱を吸収して蓄え、さらに放出することもできるので、冷暖房のコスト消費を削減できる優れもの
■「リグ二ン」という木の中の光吸収成分を除去することで透明になり、さらに保熱効果のある「ポリエチレングリコール」を加えた
冬場は暖房、夏はクーラー。電気代が高くて困る…そんなお悩みを解決してくれる、スーパー木材が開発されました。
スウェーデン王立工科大学の研究チームによって発明されたのは、なんと半透明の木材。しかもその木材にはポリエチレングリコール(PEG)が使われており、光を通すだけでなく熱を吸収したり放出したりできる優れものなんだとか。
電気代なしで部屋を快適な温度に保てる日が近づいていますね〜。
透けて見える!透明木材の作り方
研究チームによる透明木材の開発は2016年から進められていました。この研究は、世界中で年々上昇し続けているエネルギーの消費問題を解決するべくスタートしたものです。
透明な木材を作るプロセスとして、まずバルサという木材の細胞壁からリグニンと呼ばれる成分を取り除きます。リグニンは光を吸収する働きがあるので、これを取り除くことで透明になるというわけです。ただまったくの透明ではなく、プライバシーを守れる程度にくもらせてあります。

さらにリグニン除去後の木材を、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol=PEG)の液体に浸しています。研究チームのセリーヌ・モンタナリ氏は「PEGは保熱・断熱効果に優れていて、木材とも親和性がある」からだと説明。
ですが、このPEGの働きはもっと複雑なものなんです。