■穏やかに聞いてくれる犬に読み聞かせをすることで、難しい内容でも子どもたちの自信に繋がる
■読書犬としては、性格が「穏やか」かつ体格の良さから聞き手の「威厳」も備える「バーニーズ・マウンテン・ドッグ」が最適
フィンランド在住の小学5年生ドニータは、今日も元気に本を読んであげる。聞き手は犬のヒルマ・マリアだ。
ヒルマは普通のペット犬ではない。
ドニータが通うHovirinta小学校に務める「読書犬」である。現在、フィンランドでは犬に読み聞かせをする教育法が流行しつつある。
一体どんな試みなのだろうか。
「読書犬」とは?
「読書犬」は2011年からフィンランドにある一部の小学校で始められた新しい教育法だ。犬に読み聞かせをすることで高い報酬経験が得られ、子どもが読書の習慣をつけやすくなるのだと言う。
「読書犬」の発起人であるMaarit Haapasaari氏は次のように話す。
「難しい内容の本でも声に出して読むことで子どもたちの自信に繋がります。たとえ読み間違えたりしても、犬は満足そうに聞いていてくれるので子どもの自信を削ぐことはないのです」
実際、犬に読み聞かせをした子どもたちは充実した達成感を覚え、「もっと本を読んであげたい」と思うようになっているようだ。
それから読書の際は、読み聞かせを行う子どもと読書犬、犬の世話人だけの空間をつくるように気をつけている。というのも、他の聞き手がいない方が、子どもと読書犬の間に親密で心地よい空気感が生まれるそうだ。