■スミソニアン博物館が超新星の3Dシミュレーションを公開
■シミュレーションの中では360°の角度から超新星を観察したり、その色に変化をつけることもできる
■この超新星は、カシオペア座に実在する超新星残骸「カシオペアA」を模したものである
大質量の恒星は、その一生を終える際に大爆発を引き起こす。
それは「超新星(爆発)」と呼ばれ、そこで放出されるテクニカラーのガスやチリは、数十光年先にまで及ぶこともある。
もしその神秘的なカラーを観察するなら、私たちの目に見えないスペクトラムを捉える非常に精巧な望遠鏡が必要だ。
しかし安心して欲しい。スミソニアン博物館が公開した特設サイトの「3Dシミュレーション」を体験すれば、あなたも最前列で「宇宙の花火大会」を観測できるのだ。
残念ながらスマホは非対応のようなので、PCで見てみよう。
Journey through an Exploded Star
http://smithsonianeducation.org/interactives/cas-a/web/index.html
ここでは、超新星を360°好きな角度から観察したり、なんと色を変えたりすることもできる。通常であれば観測さえ難しい超新星と、インタラクティブにつながることができるのだ。
シミュレーションで観測できる超新星は、地球からおよそ11,000光年離れたカシオペア座に実在する超新星残骸「カシオペアA」を模したものだ。
米国周辺の6つの天文台で実際に観測されたガンマ線、赤外線、紫外線、エックス線、電波周波数を利用して再構築された。
これら様々な光源が重なり合うことで、私たちの目には虹色のコラージュのように映る。
緑は鉄、黄色はケイ素、赤はアルゴン、マゼンダ色のネオンのガス状の雲は、チリが焼け付くように高温となった一連の紫の噴出物によるものだ。
真ん中には小さな中性子星がひょっこり!
このガス状のモザイク模様の真ん中に位置するのは、超高温超高密度の小さな星、中性子星だ。恒星進化の最終期に中性子星が残るかどうかは恒星の質量によって決まるが、これが超新星による最初の残骸であるといえる。
1947年に初めて観測されたカシオペアAだが、その超新星が発した光が地球に初めて到達したのは300年前だと考えられている。
このカラフルなガスの塊は今でも膨張し続けていると考えられており、2006年の研究によれば、その速度は毎秒約6,000キロメートルにもなるとのこと。
さらに、中はおよそ2,800万℃の超高温になっているんだとか。この神秘的な天体をいつか訪れてみたいと思う人もいるかもしれないが、とりあえず今はスクリーンの中だけにとどめたほうがよさそうだ。