文明の転換点となった「彗星の衝突」
さらにこの時代は、人類が狩猟採集の文化から農耕文化へと移行していった重要な時期でもある。
おそらく彗星衝突により、広範囲に自生していた植物が壊滅的な被害を受けたため、人類は自分たちで作物を育てる必要に迫られたのだろう。
また同時期にマンモスも絶滅し始めており、狩猟文化も大きく変化したようだ。
まさに「彗星衝突」は人類の文明を180度転換させた歴史的な出来事と言える。
主任研究員のマーティン・スウェットマン氏によると、「ギョベクリ・テペ」は古代の天体観測所として活用されており、彫刻が施された石柱は天体現象を記録する記念碑であったとのことだ。
「ギョベクリ・テペ」が建設されたのは紀元前9000年頃と、彗星襲来の2000年ほど後に当たる。つまり彗星衝突は数千年にわたって古代人たちの間で語り継がれ、その後石柱の彫刻として記憶されることとなったのだろう。