Point
■オーストラリアのノーザンテリトリー国立公園の近くで「3つの目を持つヘビ」が発見された
■X線検査の結果、頭蓋骨が2つに別れる「多頭症」の痕跡はなく、その代わり額中央に目を保管する「眼窩」があった
■生後の環境による突然変異ではなく、胚の形成段階で遺伝的に奇形成長したと考えられる
ヘビ界の「天津飯」か!?
先月末、オーストラリア北部にあるノーザンテリトリー国立公園のレンジャーが「3つの目を持つヘビ」を発見した。場所は国立公園の近くにあるハンプティー・ドゥーという小さな町だ。
これまで頭が2つに別れている「多頭症」の前例は確認されているが、「三つ目のヘビ」は初めて。
三つ目のヘビは「モンティ」と名付けられ国立公園に保護されたが、残念ながら先週に息を引き取ったという。
第三の目は「垂直方向にも視野を広げる」
モンティは「カーペットニシキヘビ(学名:Morelia spilota)種」に属しており、体長は40cmほど。まだ子どもで生後3ヶ月にも満たなかったとされている。
カーペットニシキヘビはオーストラリアの他にもインドネシアやパプア・ニューギニアなどに生息しており、成長すれば2〜4mにまで達する大きなヘビだ。
モンティの第三の目は正常に機能しており、なんと垂直方向にも視野を拡大することができたようだ。
X線によるレントゲン検査を行なったところ、頭蓋骨が2つに別れている痕跡はまったくなかったが、その代わり第三の目を収納するための眼窩が確認されている。
ノーザンテリトリー国立公園は「第三の目は胚の成長過程ですでに形成されていたと考えられる。生後の環境による突然変異の可能性はなく、遺伝的に奇形成長した結果だろう」と説明した。
レンジャーのレイ・チャット氏は「奇形というハンディを負いながら、これほど長い期間、野生の世界で生き抜いてきたことは驚くべきこと。最後の方は食事も満足に取れないほど弱っていた」と話す。
上空を見渡せるというメリットを持っていたものの、やはり第三の目は体への負担が大きかったようだ。
「モンティ」の遺体は現在、科学的研究のため「オーストラリア連邦科学産業研究機構」にて保管されている。
短い一生だったが、他のヘビには見れない景色を見たことだろう。成長すれば最強のヘビになっていたかもしれない。