
Point
■「メキシコ・オヒキコウモリ」は獲物を競って仲間同士で妨害音を出し合う
■「音響妨害」はコウモリの超音波機能として「エコロケーション」「コミュニケーション」に次ぐ第3の機能となった
■音響妨害はどちらかが諦めるまで続けられ、ほぼ100パーセントの確率で成功する
コウモリ「あっちに食べ物あるらしいよ(あるとは言ってない)」
アメリカ・ウェイクフォレスト大学の研究によると、メキシコに生息する「メキシコ・オヒキコウモリ」は獲物を競って仲間同士で邪魔しあう性質を持っているそうだ。
その手段としてコウモリは超音波を駆使して、仲間を混乱させているという。
まさに食料をかけた騙し合い合戦。コウモリ界にもライアー・ゲームがあったのか…
研究の詳細は、2014年に「journal Science」に公開された。
https://science.sciencemag.org/content/346/6210/745.abstract
コウモリの超音波の第3機能
研究主任のアーロン・コーコラン氏によると、この発見はコウモリが自らの超音波能力を「妨害行為」に用いることを示した初めての例とのこと。
小型のコウモリは視覚が発達していないため、超音波の反響を使って場所や獲物の位置確認を行なっている。これを「エコロケーション(反響定位)」と呼んでいる。

大型のコウモリは視力が発達しているので超音波は用いないそうだ。
これまでコウモリが用いる超音波の機能は2パターンのみだと思われていた。1つ目が先ほどの「エコロケーション」、2つ目が「コミュニケーション」。そして3つ目として新たに「音響妨害」が加わったというわけだ。