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Point
■Facebookに投稿された「ゴースト・アップル」の写真が反響を呼ぶ
■これは腐ったリンゴが氷でコーティングされ、内部だけが液状化して穴から漏れ出て作られる
■水とリンゴの凝固点が違うことで、水が凍ってもリンゴの腐食化が止まらなかったと考えられる
死んだリンゴの怨念かな?
今年2月、アメリカ在住のアンドリュー・シエセマさんが自身のFacebookに投稿した写真が大きな話題を呼んだ。
「ゴースト・アップル」と呼ばれるその写真がこちら。
これはミシガン州の果物農園で、シエセマさんがリンゴの剪定をしている際に発見した不思議な氷の結晶である。中身がなく透明になったその様はまさしく「ゴースト・アップル」の名にふさわしい。
この現象は冬時期になると氷点下10度を優に越えるミシガン州ならではのものらしい。
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シエセマさんによると、「ゴースト・アップル」が作られるメカニズムはこうだ。
すでに腐っているリンゴが木から落ちる前に降ってきた雨に濡れ、水滴が凍ることで表面が氷でコーティングされる。
ところがコーティングされても氷内部はまだリンゴが腐って液状化するのに十分な温度を保っていたそうだ。これは水が固体化する凝固点よりもリンゴの凝固点の方が低いことに原因するらしい。
つまり水がちょうど凍る温度くらいではリンゴが凍ることはないのだ。
そのため、氷内部で腐食化が進行し徐々に液状化して、氷底部に空いた穴からリンゴがすり落ちる。あとに残るのは氷だけ。これで「ゴースト・アップル」の出来上がりというわけだ。
ちなみに農園で育てていたリンゴは「ジョナゴールド」という品種だったそうで、シエセマさんは「これはジョナゴールドならぬジョナゴーストだね」とギャグを飛ばしている。
さすが寒冷地だけあってジョークもサムいようだ。