
Point
■西オーストラリアで金をまとう真菌が発見された
■金属と反応する真菌自体は珍しいものではないが、金は化学的に不活性のためこれと相互作用する真菌はこれまで報告がない
■この菌がなぜ金に反応するかは謎だが、彼らを利用すれば地下の金埋蔵量を安価に調査できる可能性がある
あなたの好きな「きん」は、ピカピカ輝く「金」ですか? ネバネバと物を腐食させる「菌」ですか?
今回発表された研究は、どっちの「きん」が好きな人にも興味深い話題だ。
なんと、金を集めて身に纏うという珍しい性質の菌が発見されたのだ。
この発見は、オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究者より発表され、5月23日付けでNature Communicationsに掲載されている。
https://www.nature.com/articles/s41467-019-10006-5
金ってなんでもてはやされるの?

金が高価なものだというのは誰もが知っている。海賊も空賊も北海道グルメ漫画も、探し求めるお宝はやっぱり金だ。
なぜ、これほどもてはやされるのか?
それは金の持つ化学的性質に由来する。金を含めたプラチナなどの貴金属は化学的に不活性な性質を持っている。
化学的に不活性というのは、要は化学反応しにくいという意味で、金属においては酸化しづらいことを意味している。
金属にとっての酸化とは錆びるという意味だ。
つまり金は錆びない金属なのだ。そのため古来より金は永遠不滅の象徴として、美しい装飾品に利用され続けているし、現代でも貨幣価値の担保として銀行が大量に保管している。
海底に沈んでも錆びないから海賊も大好きなのだ。