最近の彼の活動
キュリオシティの調査活動は全てが順風満帆に進んだわけではない。車輪に穴が空いてしまったり、メモリーに異常が発生したりとトラブルにも見舞われている。
しかし、現在は元気に採掘分析調査を続けており、休憩の合間には空を眺めて雲の様子を撮影し地球へ送っている。
今回紹介したNASAのページは、粘土鉱石の採掘状況を報告しているはずなのだが、ページ上に貼られているのは、ほとんどがキュリオシティの撮影した雲の画像だ。NASAのチームも彼の撮影した雲の画像はお気に入りのようだ。
これらは皆、白黒のナビゲーションカメラで撮影されている。
雲が明るく輝くには太陽光の反射が必要なので、撮影時間と雲の光の加減から雲の浮かんでいる高度を推測することが可能だという。現在の試算ではおよそ31km上空に雲が存在していると考えられている。
このキュリオシティから600km離れた位置には、別の探査機InSight(インサイト)がおり、こちらでも雲の撮影が行われている。距離的にうまく行けば同じ雲を同時撮影することができるので、科学者たちは2つのカメラを調整し、より正確な雲の生成高度を計算しようと計画している。
困難な調査活動の合間に、雲を眺めて過ごす探査機キュリオシティ。私たちも、たまには忙しい合間を縫って空をゆっくり眺める時間を作るのもいいかもしれない。