義肢・義指開発への活用に期待
さらにこの発見は、私たちが自然に持っている動作能力を拡張するための、義肢や義指の開発にも活用できそうだ。ロボットアームを装着した外科医が、アシスタントなしに手術をできるようになるのも、夢ではなさそうだ。
一方で、義肢や義指を付けた人々が、生まれつき多指の人々ほどに運動制御が上手くできない可能性もある。義肢や義指は、骨・筋肉・腱・神経に直接つながっているわけではないし、それらを使いこなすには、まずその使い方を学ぶ必要がある。

今回調査を受けた親子の指は、生まれた時からずっと訓練を受けてきたわけだ。人生の途中で加えられた義肢や義指が、多指と同等の機能を果たす保証はない。
とはいえ、多指の人々が持つ構造を調べることは、義肢や義指の神経制御を分析するためのユニークな機会になるだろう。「欠損」の烙印が払拭される日は近そうだ。