Point
■探査車「キュリオシティ」により、火星史上最高のメタンガス数値(21ppb)が検出された
■メタンガスは生物によって作り出されるため、火星地中に微生物が存在する可能性も考えられる
■一方でメタンガスは化学物質の相互作用でも発生するため、生命が存在するとは断言できないとのこと
まだ確定ではないけど、期待が高まるぞ。
NASAの発表で、火星探査車「キュリオシティ」が、調査中のゲール・クレーターにて21ppbのメタンガスを探知したことがわかった。
これほど強いメタン反応は火星上で初めてのことで、NASA研究チームも「地中に生物が存在する証拠となるかもしれない」と期待を寄せている。
メタン=生命? 地中に微生物が存在するかも
キュリオシティが火星に到着したのは2012年6月のこと。それ以来、キュリオシティは着陸場所のゲール・クレーター領域を数年に渡って探索し続けている。ゲール・クレーターはおよそ35億年前に形成され、直径154kmにも及ぶ巨大クレーターだ。
そんな場所でひとり黙々と探索作業をしているキュリオシティは、まるでディズニー映画のWALL・Eのようである。彼のそんな努力が実ったのか、ついに史上最高のメタン濃度を検出することに成功した。
メタン検出はこれまでにも数回確認されており、2013年には5.8ppbのメタンガスが探知されている。ところが、今回のように突発的に濃度の高いメタンガスが検出されたという事実はかなり重要である。
なぜなら、メタンは生きている生物によって作り出されると考えられるからだ。もしメタンガスの湧出源を突き止めることができれば、そこに火星史上初の微生物が発見される可能性がある。
地表面での生活を困難と見て、ゲール・クレーター内部をシェルター代わりにしている微生物が、今もそこに生息しているかもしれないのだ。