ダークスターの観測
ダークスターは、直訳すると暗い星となってしまうため、なんだか光らない印象を抱いてしまいますが、それは間違いです。
ダークスターはWIMPの対消滅によるエネルギーで明るく輝く天体です。そのため、十分な精度を持つ望遠鏡を使えば観測することが可能だと考えられています。
ただ、ダークスターの動力源は対消滅のため、暗黒物質が密集していた初期の宇宙でしか成立できません。現在はもう存在しない天体なのです。
そのため、ダークスターを観測するためには初期の宇宙を見る必要があります。
初期の宇宙は、現在の宇宙の辺境にあります。辺境宇宙は地球から約130億光年の距離にあります。それは130億年前に放たれた光を見ることであり、つまりは130億年前の宇宙の様子を見ることができるのです。
現在NASAでは、2021年を目標にジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の打ち上げ計画が進んでいます。これはハッブル宇宙望遠鏡の後継機となるもので、この望遠鏡の精度ならば、130億光年離れたダークスターを観測できるかもしれないのです。
現状の理論では宇宙の形成を上手く説明できないのは事実です。ダークスターの存在は、非常に合理的な宇宙形成シナリオを提供しています。
果たして本当に暗黒物質で作られた恒星は発見できるのでしょうか? 宇宙最大の秘密に近づく瞬間が近づいているのかもしれません。