Point
■地球から600光年離れた場所で、生まれたばかりなのに木星の2〜3倍のサイズを誇る惑星が発見される
■惑星は「HD97048」と呼ばれる恒星の周囲を回る円盤の中で誕生していた
■円盤の中を流れるガスやチリの乱れを観察していると、乱れの原因が誕生したばかりの惑星であったことが判明した
ベビースターですが食べ物ではないようです。
オーストラリア・モナーシュ大学の天文学研究チームにより、地球から600光年の場所に生まれたてのベビー惑星が発見されました。
ところがその大きさは、太陽系最大である木星の2〜3倍に及んでいるとか。今後の成長が気になるニュースターの誕生となったようです。
観測には、チリ北部にある標高5000メートルのアタカマ砂漠に設置された「アルマ望遠鏡」が使われています。研究の詳細は、8月12日付けで「Nature Astronomy」上に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41550-019-0852-6
巨大円盤の中で産まれる
巨大ベビー惑星は、「HD97048」と呼ばれる若い恒星が持つ円盤の中に発見されました。HD97048は地球から600光年先のカメレオン座に位置しており、この星自体もまだ主系列星には達していません。
この若い星の周囲を回転する円盤は「原始惑星系円盤」と呼ばれています。
原始惑星系円盤とは、新しく生まれた恒星の周り取り巻くガスが回転している巨大な円盤のことです。中心星に向かってガスやチリが落ち込んでもいるので、一種の降着円盤と言うこともできます。
そして研究チームは、円盤の中を流れるガスやチリの動きをマップ付けすることで惑星の発見に成功しています。ガスの流入について観察していると、ガスの流れが乱されている領域が見つかったのです。
研究主任のクリストフ・ピント教授は「ガスとチリの間に隙間のようなものが出来ており、まるで川の下に潜む岩のように水の流れを変化させていた」と説明しています。
これが円盤の中で生まれたばかりのベビー惑星だったのです。
さらにガスの流れの内に生じる「乱れの形状」を詳しく分析することで、ベビー惑星のサイズを特定することにも成功しました。
現時点で木星の2〜3倍あるのですから、大人になったら太陽サイズまで成長するのでしょうか。今後の経過報告が楽しみですね。