水族館をはじめ、水の中に泳ぐ魚を見ていると癒されますね。自宅でも味わいたいけれど、水槽を置く場所がないし、機器のメンテナンスも難しそうという方は、ボトルアクアリウムはいかがでしょうか。
ボトルアクアリウムは、ビンの中に水草や魚が入っていて、机の上などで手軽にアクアリウムが楽しめるというもの。雑貨屋などで見たことがある方もいらっしゃると思います。ただ、手軽ゆえに簡単だと勘違いされることが多く、すぐに生体が死んでしまったという話は珍しくありません。
そこで今回は、「手間をかけず」「少ない費用で」「長期で維持できる」ボトルアクアリウムの作り方を、失敗を回避するためのポイントとともにお教えします。以前ご紹介した「双眼鏡による木星のガリレオ衛星の観測」と同様、夏休みの自由研究にも最適だと思いますよ。
【目次】
・ローレンツ式アクアリウムとは
・POINT1:びんの大きさと形状
・POINT2:底砂の種類
・POINT3:水草の種類
・POINT4:生体の種類
・POINT5:生体の数
・POINT6:餌をやるのを我慢する
・実際に作ってみよう
・初日にやること
・1週間後にやること
・最初の1カ月の管理が重要!
・ボトルアクアリウムを楽しもう
・最後に:なるべく安く作るには? 材料の購入場所をご紹介
ローレンツ式アクアリウムとは
ボトルアクアリウムといってもさまざまなものがありますが、筆者が魅力に思うのは、「まるで地球のようにビンの中だけで、ほぼ生態系ができる」もの。よって、目指すのは「ローレンツ式アクアリウム」となります。
「ローレンツ式アクアリウム」とは、ノーベル賞受賞者であり、動物行動学者のコンラート=ローレンツが著書『ソロモンの指環』(まるで動物好きブログなので、生き物好きは一読されたい)で紹介する、ろ過装置やエアポンプといった水質維持用の機材を用いず、水槽の中にいる生物同士で環境のバランスをとるアクアリウムのこと。
つまり、植物が出す酸素を魚などの動物が使い、植物は魚などの生物が出す二酸化炭素と排泄物からの養分を吸収して成長し、水を浄化するという循環が保たれることが特徴です。
なお、なるべく人工的なものを排除したいので、照明やヒーターも不要な環境を作ることにしました。