
Point
■ドイツの航空開発会社が、世界初となるエアタクシー「VoloCity」を発表
■18機の小さなプロペラを回転させることで、安定性と静かな回転音を実現
■乗客2人と手荷物を載せられるスペースがあり、時速110kmで移動可能
なんだか強そうなタクシーの登場です。
8月21日、ドイツの航空開発会社「Volocopter(ヴォロコプター)」が、次世代のエアタクシーとなる「VoloCity(ヴォロシティー)」を発表しました。
都市圏内で乗客を運ぶ目的のもと開発が行われ、実用化が実現すれば世界第一号のエアタクシーとなります。
同社は現在、航空交通管理に関する都市との協力やエアタクシーの受付所、離着陸場である「VoloPorts」の建設など、インフラの開発を進めているとのことです。


速い・安全・静か!
VoloCityの開発は、乗客運搬用の「電動VTOL(Vertical Take-Off and Landing Aircraft、垂直離着陸航空機)」として2011年より開発が行われていました。
現在のVoloCityは第4世代にあたり、それまでに1000回以上にわたる飛行テストと試行錯誤が繰り返されています。
白と黒のシックなボディにメインローター(回転翼)が付いていますが、この大きな円形部自体は回転せず(!)、代わりに円形部に搭載された18機の小さなプロペラが回転します。
この技術により、従来の回転翼よりも優れた安定性とプロペラの静音化が実現できました。

機内はドライバーと乗客2人、それに手荷物を収容するスペースが確保されています。さらに、時速110kmのスピードで移動し、渋滞の心配もないので、速やかに目的地へ到着できるわけです。
移動距離は35km範囲に限られているそうですが、目的は乗客を一つの都市圏内で自由に運ぶことなので、十分な広さでしょう。
またVolocopter社は、設計の安全性に細心の注意を払っており、EASA(欧州航空安全機関)が定めた安全基準を見事にクリアしています。同社CEOのフロリアン・ロイター氏は「都市航空移動機に必要な原則に適するよう厳密に設計している」と話しています。
試運転の一般公開は、今年の第4四半期にシンガポールで実施予定です。「速い・安全・静か」と三拍子揃ったスーパータクシーとなることを期待しましょう。
しかしこのVoloCity、ちょっと伝説ポケモンの「ゼルネアス」に見えてしまわないでもない。
