Point
■地球から110光年の位置にある太陽系外惑星「K2-18b」に、水蒸気が存在することが判明
■これまで数千近く発見されている系外惑星の中で、実際に水分が見つかったのは観測史上初のこと
■赤色矮星の周囲を33日周期で回転しており、それが太陽代わりとなって、水分が存在できる状態が保たれている
地球から約110光年先に「K2-18b」と呼ばれる太陽系外惑星があります。
11日、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の研究で、この惑星に「水蒸気の存在が確認された」と発表されました。
ハビタブルゾーン(生命居住可能域)にある惑星はいくつも発見されていますが、実際に大気中に水分を含む惑星が特定されたのは、観測史上初めて。
研究主任のジョヴァンナ・チネッティ氏は、「地球外生命体が存在する可能性も十分ありうる」と話しています。
研究の詳細は、9月11日付けで「Nature Astronomy」に掲載されました。
https://www.nature.com/articles/s41550-019-0878-9
「赤色矮星」が太陽代わりに
「K2-18b」自体は、2015年にNASAのケプラー宇宙望遠鏡によって発見されていた惑星です。
スーパーアース(巨大地球型惑星)に属し、地球の8倍の質量と2倍のサイズ、惑星温度は0〜40度の間。NASAはこれまで数千近くのスーパーアースを発見していましたが、水分と岩石の両方を持っているのはK2-18bだけです。
K2-18bは、「しし座」の中に位置する赤色矮星を33日周期で公転していることが分かっています。その赤色矮星が、地球にとっての太陽のような役割を果たしているようです。
K2-18b-赤色矮星の間隔は地球-太陽間よりも近いですが、赤色矮星の温度が比較的低いため、水分が液体状で存在できるハビタブルな状態が保たれています。(太陽の温度は6000ケルビン、この赤色矮星は3500ケルビン)