アイスクリーム購入時にお馴染みのドライアイス。実は火星の南極では「ドライアイスの雪」が降ることをご存知ですか?
そもそもドライアイスは、二酸化炭素が凍ったもの。一方、火星の大気は95%が二酸化炭素で、極地域ではー100℃以下になることもあります。そこでちょうど地球の水と同じように、大気中の二酸化炭素が氷になって雲になり、雪として舞い落ちるのです。
そんな火星に降り注ぐドライアイスですが、どうやら最終的に「チョコチップアイス」に進化するようです。
今回、欧州宇宙機関(ESA)などが運営する火星探査機、ExoMars Trace Gas Orbiter(TGO)のカメラによって、鮮明な火星砂丘の画像が撮影されました。
その画像が「まるでアイスクリームのよう」だと話題になっています。一体どうしてこんなお姿になったのでしょうか。
「バニラアイス」の正体はドライアイス
まずバニラアイスの正体はというと、前述した二酸化炭素の氷(ドライアイス)から成る無数の丘です。そしてチョコチップはというと、それらの間にできた黒い砂の溝の集合体とのこと。
冬の間、火星の北極は二酸化炭素の氷で覆われ、春の到来とともにその氷が地表から蒸発します。そして氷にひびが入る際、昇華した氷が大気中に立ち昇る際に砂を運び、砂丘を形成するのです。
まるで春の雪解けのようですね。